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2010.04.06

速報→「とりあえず寝る女」箱庭円舞曲

2010.4.4 19:00

10周年にして駅前初進出の箱庭円舞曲の新作。今までの公演タイトルを各場のタイトルにする意気込みもきっちり。しばらくぶりの家族の話だといいます。135分。6日まで。

小さな一軒家がたくさん立ち並ぶ古く造成された団地。母親と娘が暮らす家。母親の峠に、妹が帰ってくる。この場所を再開発するという役人と自治会(劇中では親睦会)長。

母親のこと、姉妹のこと、姉妹が住んでいるこの場所のこと。すぐ寝る女という、無茶なタイトルをきちんと作り込むのです。 この家が好きというだけで立ち退きを拒否する気持ち。好きなものを守りたいと訴える女、それに共振する男の気持ち。それは純粋なものなのだけど、それを「手なづける」(この言葉を選びとるのは巧い)と見てしまう周囲の色眼鏡の哀しさ。

ギャラリーのオーナーと受験生のやりとり。背景のネタはともかく、ちょっと偉そうなことを云っおうとするオトコが後半あっさりといなされる小さなパワーゲームはちょっと面白い。いや、笑ってる場合じゃないのですが。

きっちりした一本の物語というよりは、さまざまな人々を点描していく感覚。たくさんの人々の想いの交錯を描くのを支えているのは役者陣の充実。 劇団としては男たちなのに、女性を中心とした物語をきっちりと支える劇団というのは10周年の今だからこその浮かれないストイックさがカッコイイ。

正直に言えば、あたしの観た日曜夜の回、終盤の客席はかなり気温が高かったのです。それで二時間超えは、たたみかけるエンディングは少々つらかったのです。が、よく考えれば客が入らなくなってきている日曜の夜公演にもかかわらず、きっちりこの劇場を埋めるのは(期間が短いとはいえ)彼らの実力を観客も知っているということなのです。

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