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2010.03.06

速報→「Y時のはなし」快快

2010.3.5 20:00

faifaiの2007年作品( 0, 1, 2)の改訂再演。もともとは他の作品と組み合わせていたものを一本立ちさせての90分。6日まで原宿・Vacant。

小学校に併設された学童保育でアルバイトしている男。小学校に勤める年上の女性教諭にあこがれを持っている。夏休みにも学童に居る3人のこどもたち。夏の終わりにはカレーパーティーがある。

北川陽子の作、篠田千明の演出という最強のコンビ。都市圏の一人でいることの寂しさ、騒いでいる子供にもそういう気持ちがあったり、あるいは子供が三人と二人と一人でそれぞれの関係が変わっていくことの面白さ。ほんとうに学童保育で働いているということの観察の強み。

もともとの短編をほぼ倍尺に改訂。物語の骨子はびっくりするほど変わりませんが、三人芝居だったものに、「その他もろもろ」という役を設定したり、見た目に面白い蛇口やカメハメ波、乗れる雲、紙飛行機などさまざまな小道具をさらに増やして見た目の驚きもてんこもりで実に楽しいのです。正直にいえば、ものがたりがほぼそのままにしているために、物語の運びは少々遅く感じないことはありませんが、その楽しさはやはり彼らを見続けていたいという気持ちになるのです。

カレーパーティーでぐつぐつと煮える鍋や「いただきます」は初演そのまま。山崎皓司の魅力がたくさん。中林舞演じる女性教諭の側の冷たさのような側面は新たな発見。初めて二人で会話した終わりに慌てて帰ろうとする理由はネタだけど面白い(なんせ頭に計量カップ乗せて、だ。)。その他もろもろ担当の天野史朗はなんかものすごいことに。同級生たち、という役はアイディアは思いついてもカラダが使えることの強さを感じさせるのです。

外国人の観客が居ることに対してのホスピタリティの強さ。そこに意気込みのようなものを乗せずに、ごくあたりまえに軽々とやってしまうことの彼らの底力を再発見するのです。

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