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2010.03.02

速報→「三日月に揺られて笑う」タニマチ金魚

2010.2.28 14:00

牧野エミ、楠見薫、中道裕子のユニット。土田英夫の作演出によるホラーテイストの仕上がり。大阪のあと、28日までスズナリ。105分。

小さな観光地の湖のほとりにたつ遊覧船乗り場。仲のいい三姉妹が売りで、彼女たち自身が経営もしている。若い男の従業員は三女に惚れているが、三女の反応は芳しくない。オーナーの男は若くして頼りがいがあり、家族も居るが、高校時代の同級生だった次女、憧れだった長女、家庭教師をしていた三女ともずるずると関係を続けている。三人は互いにそのことを知っているにもかかわらず、互いに知らない振りを続けている。 ある日、男は意を決して関係を解消しようと三人に告げる。

いい歳をしているけれど可愛らしさをそこかしこに漂わせる三人。水平服をアレンジした観光船の制服はちょっとした何かのプレイのようだけれど、徐々にそれがアリになってしまう土田マジック。

同じ男を取り合っている三姉妹、骨肉の争いではなくて、見えているのに見えないふりを続ける三人。終幕近くで明かされるとおり争いの元を湖に沈ませるという怖さもあるのだけど、その「見えないふり」で長く続く時間を思い返すとむしろそこのほうが何倍も怖いのです。

子供の頃から欲しいものが取り合いになる三姉妹で、収拾がつかなくなったときの解決策も子供の頃から変わらない。そのころの生活を今からも、これからも続けていく感じにホラーとしての仕上がりに。 そういう意味では人間のおかしみとかそういうテイストというよりは、もっと作りもの感満載で、それがむしろ味になっている、という感じすらします。

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