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2010.03.28

速報→「はなよめのまち」キコ

2010.3.25 19:00

チェリーブロッサムハイスクールの作を続けていた小栗剛が立ち上げたユニット。青☆組の吉田小夏の久しぶりの出演(5年ぶりらしい)もおやじたちの間では評判の。がっつり120分。29日まで王子小劇場。舞台へ真上からの投影があるので、それを見やすい席をとるか最前列を取るかは悩ましいところ。

山の方にある町。外の世界とは隔絶されているその地域を支えているのは成長した女を「ハナヨメ」として売ることだった。ハナヨメになれなかった女たち、男たち。穢れることへの恐れ、蔑みも同居する町。

舞台はごくシンプルなつくり。内側に向かって両側からの傾斜で白く塗られています。ハナヨメの衣装もごくシンプル。白と赤が基本、ハナヨメになれなければ青、その前なら白、とか。

姓のみの人々は、個人ではなく、組織でもなく、解体され均質化された世界。女性をたった二つの枠組みに規定し、均質な教育を施し。男たちにもそれほどの選択があるわけではなく。その世界にあって、異質なものが同居できる場所としてのコーヒー店というのは物語の前半において要となります。その中でジャズについて語る男たちがカッコつけているのに、まるで五反田団の「新年工場見学会」MCのように微妙な感じにしているのは意図されたものかどうか。

終盤、祭り、儀式を模したパフォーマンス。かなり強烈にリズムを刻むのは相当に役者に負担をかけるだけのことはあって印象に残ります。

コーヒーは大丈夫なのに麦は、という辻褄の問題は大きな問題ではありません。あるいは、この世界は子供たちがどうやってつくられるのだろうというのもいわない約束。ハナヨメという商品の秘密は終盤にSFめいて語られますが、そこまで書かなくてもいいかなという気もします。

数年ぶりという吉田小夏の少々意地悪い感じは楽しい。彼女の演じる看護婦という役は被差別・差別のポジションを内包する役を田中のり子もしっかり。木下祐子・三枝貴志演じる「外部の視点」は物語をきちんと支えます。 堀奈津美は可愛らしさがいっぱい、終盤での手を取られて走るシーンが美しい。それでも手を取られているはずの女性が主導しているように感じてしまうのは、アタシが女優ばかりを見ているからですかそうですか。

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