速報→「ブロークン・コンソート」パラドックス定数
2010.3.19 19:30
パラドックス定数の新作。悪人たちの物語。115分。開演に遅れるとまったく入れない構造で場所を使っているので早めに。上手側の方がシャッターの外側が見えて楽しい。22日まで、SPACE EDGE
ガレージ風の場所、出所してきたヤクザが訪れる。ここは工場で、兄弟でこの工場で拳銃を作っている。兄はいわゆる知的障害。弟は工場を回している。刑務所にいる間、ここを支えてきたのは弟分のヤクザで。
正直に言うと、初日時点では外の電車に声が負ける場面が多いのです。たとえば、取り調べは1時間で済んだのに、3日も帰ってこなかった理由が聞き取れないのです。
ヤクザと職人、兄と弟、金は必要だし、旋盤を使うことも楽しい。渋谷署、青山学院などこの場所の感じを積み重ねます。乗り越えたい気持ち、のし上がる気持ち。乗り越えられる側の気持ち。遊び感覚の大学生がそうなって焦ること、刑事とヤクザの持ちつ持たれつ。
終盤での乱痴気な騒ぎ、人の生き死にすら遊びになってしまいそう。それをしばらく見ているうち、子供たちがはしゃいでいる感じにすら見えてきます。
没頭できることのある職人の気持ちというのは、多分今のアタシには本当にはわからないことなのだろうと思います。あたしの感覚でいうと、Excelにひたすらに作業的に数字を入れてたりという感覚か。あるいはランナーズハイもちょっと近いのです。
まだアタシにとってのパラ定は、史実ではない物語を作ろうとすると、ちょっと苦労する感じを受けます。あるいは、この世界のことを描く以上は仕方ない感じもしますが、死ぬ人間が多いという落とし前の付け方ではないところに作家の力を見たい。 男たちの想いが溢れている感じはよくわかっていて。ここは正念場だと勝手に思うのです。
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