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2010.03.15

速報→「Bench Time」年年有魚

2010.3.13 14:00

年年有魚の新作。お茶を飲みながらの川柳教室という体裁の穏やかでゆるい空気の中に潜んだ空気を楽しむ75分。24日まで新宿眼科画廊。これからごらんになるなら三辺囲みの客席のうち、プロジェクタがしっかりと見える正面の一辺をおすすめ。

お茶とお菓子で、川柳の講師を招いての教室。まだ生徒は揃っていないので、ひらがなを書いたカードを引いて五・七・五を作るような遊びをしている。スタッフの知り合いが多いらしい。

ワンドリンクとお菓子つき。観客の応答は期待していないよう(プロジェクタで観客への指示がでる)だけれど、いわばワークショップに参加しているような体裁で舞台は始まります。参加者をスタッフの知り合いから広げる会の常で、微妙な内輪感があったり、隠れた好意やその裏返しといして苦々しく思う気持ちなどをきちんと詰め込んで。

劇団名もチラシも、舞台の設定もじつに穏やかで優しげにみえるのだけれど、作家の視点はそのベースを少々底意地悪くしっかりと見据えています。恋人を取られるんじゃないかという嫉妬の気持ちから人目で裏表になる感じや、そこはかとない好意が見え隠れしたりします。

ネタバレかも。

終幕近くにある、何で別れたかについてのおそらくは回想らしきシーン。牛乳を飲んだかどうかきいた、ほんの一言が、男は本当に確認しただけなのに、女がそれをどこまでも非難や困惑ととってしまう、この一言すらも正しく共有できないことが凝縮されていてちょっとすごい。

その直前はアタシが大好きな女三人のフォーマットで、その恋人との話の下地つくり。平田暁子は無自覚に質問する物語を進ませる役に対して、松下知世が演じたのはごくまじめそうなのに、コンパにまつわる酒の力、男の無力のようなものを語るところ、いちいちがおもしろく、間も絶妙で目が離せません。恋人に嫉妬する女と、見え見えのいいわけをしながらも修復を試みる男のシーンもちょっといい。女のあからさまな策略も可愛らしい感じで印象に残ります。

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