速報→「富士見町アパートメント(Aプロ)」自転車キンクリートSTORE
2010.2.28 19:00
どちらかというと不条理な感じが強い二本のAプロ。蓬莱竜太と赤堀雅秋の二本を15分の休憩を挟んで155分。あたしの好みでいえば断然Bプロなんですが、エッジな感じはこちらの方が強い。
【魔女の夜】(作・蓬莱竜太)
深夜、女が居る部屋に手首から血を流した女がやってくる。やってきたのは女優で部屋に居たのはそのマネージャ。近くで車を大破させ、車の中には別の男の芸能人が乗っていたのだという。
タレントがいることがマネージャの全てなのかどうなのか、ということを軸にした心理的なチェスの様相。二人の芝居、少々怒鳴ることはあっても、全体にはフラットでいきつもどりつ、攻め守りということがめまぐるしくいれかわる感じ。正直にいえば、互いのこだわりどころがあたしには今一つ腑に落ちない感じはあって、視座をどこにおこうか迷うのは、体力を使います。 そのぶつかり合いのようなものはすごくて、手のつけられない奇行女優を山口紗弥加が好演。明星真由美は年齢を重ねて自分の行き先を迷うマネージャ役は自身の姿に重なって面白い。
終盤にいくつか、決定的などんでん返しが気持ちいい。それで互いの優位さとか関係がくるりと変わるのは芝居ならでは楽しい。
【海へ】(作・赤堀雅秋)
自殺した男の部屋に集まる喪服姿の男たち。片づけに訪れた双子の弟、彼に10万貸したという同級生の男と友人。回収にやってくるが、無駄な遊びばかりでいっこうに進まない。
独身男のゴミ屋敷、程度の差はあれど身につまされる感じ。有料のパンフによれば、説明的な部分を一切そぎ落としてしまっているのだそう。なるほど物語をここから 物語はというと、根っこにある想いのワンアイディアはごく純粋なものだけれど、部屋に溢れるゴミと同様に、近所の老人や呼ばれる女、あるいは男三人の遊びのようなものなど、沢山のノイズが乗っていて、物語の筋を追って楽しもうとすると少々戸惑います。中盤からのほとんど中学生男子のような無駄な遊びのあれこれやら、部屋に呼んだオンナノコとの会話のあれこれやら流れに身を任せて吉、という感じ。
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