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2010.02.22

速報→「そして彼女はいなくなった」競泳水着

2010.2.20 19:30

劇団競泳水着の新作。懐かしいぐらいに(かつてどらま館でやっていたような)ミステリー。辻褄も物語もきちんと。110分。21日までシアターサンモール、前売りが早い段階で完売とか。それに見合う仕上がり。

事務所所属だけれど今一つ売れてない女優が昔のバイト友達と週刊誌のフリーライターに翌日会う約束をしたまま連絡がつかなくなった。

ここしばらくはいわゆる「トレンディードラマ」をベースにした芝居が続いた作家の久しぶりのミステリー仕立ての新作。恋を物語にちりばめつつも笑いはごく少なく、緻密に埋めていく感じは物語に入るのにアタシは少々手間取りますが、一度物語に入ってしまえば登場人物の名前もちゃんと覚えられる(人の名前を覚えるのが本当に苦手で役割でしか認識できないアタシには)実にすごいことだと思うのです。きっちりと組み立てられた物語と、繰り返しを多用して効果的な見せ方など盤石な感じの強度。

失踪した女優の背景が絶妙で、今一つ売れていない、という設定は大騒ぎにはならないし、本気で心配しているかしていないかという登場人物の嘘を巧く隠すのに効果を生んでいます。逆に言えば、いなくなったわりに本気で心配している風の人がだれ一人居ないように見えるというのも弱点と云えば弱点。

ネタバレかも。

いくつものトライアングル。それは恋愛や夫婦の間、友人との嫉妬が幾重にも張り巡らされています。カット割りのように短い回想シーンを巧みに織り交ぜていくのですが、 背景となる関係や会話を積み重ねていくと、同じ会話がまったく別の関係として浮かび上がっていく鮮やかさは実に印象的なのです。

中心となる失踪した女優、恋愛にトラウマをもつ友人、書店店長、元バイト先の友人という四人を頂点とした正四面体が完成する終幕は実に見事。事件の原因となる動機は、仕事や人生に対しての迷いに起因するのかとか、友情の嫉妬に起因するのか、あるいはその周縁のさまざまな人物たちのノイズが巧妙に張り巡らされています。おかげでアタシは絶妙に気持ちよく煙に巻いていかれるのです。

実力のある役者たち、ときにキャラクタ芝居になりがちな役者も多いのですが、本作では終始抑えたスタイルのまま。一歩間違えば平板になりかねないこのスタイルなのだけど、繰り返しの回想の入れ方、音などが絶妙に組み合わされていて独特のリズムを持った起伏の気持ちよさ。

物語の背骨として演じきる岡田あがさは、この広さの劇場だからこその視線の鋭さが生きる。 トラウマを持つ役が意外にも似合う(失礼)川村紗也、その姉を演じた細野今日子は終始ヒールとしての新たな魅力。地味で気後れがちな女の子を演じた辻沢綾香が絶妙で普段の舞台で与えられるポジション違う側面の魅力。 またもモテる役で男の観客の敵を増やしそうな永山智啓は圧巻。でもその魅力にオヤジのアタシすらやられてしまいそう。荒井志郎の落ち着いた感じも頼もしい。

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