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2010.01.10

速報→「北限の猿」青年団

2010.1.9 15:00

青年団のスタンダード。懐かしい感じすらするけれど、オリザ作品の中でも若い役者たちの座組でだからこそ生きる一本。80分。26日までアゴラ劇場。

(類人)猿を教育などによって進化させ人間に近づけようという「ネアンデルタール作戦」の研究室。生物、農業、心理などさまざまな研究者、院生、学生が集まっている。

2005年の若手公演から計画されたであろう若い役者たちの座組の新バージョン。全国を経ての東京公演。若手とはいっても、最近の主力になっている役者も多く、不安はなにもない感じ。

後ろを向いて小声でぼそぼそ喋り、同時多発、まさに「静かな演劇」のその形。今になってみれば、そういうフォーマットとか様式のような感じすらあって、スタンダードになったのだなぁと十分に感じさせるのです。一方で、そのフォーマットや様式に縛られているという感じがするのは若い役者の座組だからという感じも少ししつつ。

ネタバレかも

ボノボ(wikipedia)なる「乱交型」の類人猿。性行動が特徴と分類されるのこの猿の物語を初めて見たのはSWAP初演(2004年再演)でした。セックスがコミュニケーションなのではないかという仮定と、そこから起こるさまざま、この小さな研究室の中の波風に重ねて描きます。無機質な感じの研究室と白衣を着た知的な人々の間のその会話を聞いていると、まるで檻の中の動物を観察するように見ている観客としてのアタシがは引き込まれるのです。

妊娠を不安におもう気持ち、草原を目の前にした猿の視線の先にはしかし世界が広がっているという終幕は変わっていません。それなのに、アタシは確実に年齢を重ねていて、ああ、彼女の先にはアタシにはもう見えなくなってる世界が広がっているのだなぁと感慨すら覚えるのは新しい感覚なのです。

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