速報→「僕らの声の届かない場所」ろばの葉文庫
2010.1.16 19:00
空想組曲の2008年初演を大幅改訂、演出を詩森ろばとしての90分。17日までArtGarally Complex。
若い画家が集まるアトリエ。圧倒的な力がありながら自分の中の闇を表現できないまま、完成できない男。やってきた女はその絵が完成していないことを見抜き、その絵の完成を楽しみに通ってくる。画家も、完成させようという気になっていて。
絵画のフレームを模した八百屋舞台だったり、宇宙人がでてきたりともっとコミカルだった印象だった初演。再演にあたって、ギャラリービルの一室、最小限の照明や音響、イスとイーゼル、枯れ葉ぐらいの全体に落ち着いた仕上がり。 物語自体も作家自身が演出と戦いながらリライトしたといいます。大枠では変わっていないものの、 静かな会話でわかりやすい妬みのようなものの描かれ方が減っている反面、画家たちの互いのプライドやライバル意識は純粋に芸術に向かっていて蒸留したかのように研ぎすまされていると感じます。
ハマカワフミエが可愛らしいヒロインというのは意外にも珍しい感じだけれど、純粋を感じさせる見た目にもよくあっています。挑発的な批評家を演じた佐々木なふみは若い芸術家たちとのある種のプレイめきながらも対峙するシーンがかっこいい。みどりを演じた清水穂奈美はこの演出においては、(観客を)ゆるませてくれる数少ないポジションで、それに応えるように明るい。初演では男性の役だったオーナーを女性という位置づけに変えているけれど、演じた関根信一の安定感は初演と変わらないものの、初演とはまったく別の魅力を持った役で印象に残ります。
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