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2010.01.10

速報→「黒いインクの輝き」ブルドッキングヘッドロック

2010.1.9 19:00

アタシは初見ですが10周年。漫画家のスタジオという女の園のさまざま。130分。18日まで、サンモールスタジオ。

真冬、山の中のスタジオ。アシスタント5人を抱える女性漫画家が姿を消して時間が経った夜。人気連載「アートフルライフ!!」を持ってはいるが、センセイはすでに書けなくなっている。それでも優秀なアシスタントが物語、作画などを分担していてすでに回っている。センセイは帰ってこない。

女性がたくさんの現場の面倒くささ。漫画家を筆頭に、優秀だったり酒癖だったり自意識過剰だったり慣れない感じだったり、いじられすぎだったり。お互いの苦手意識、媚びてる女、はいったばっかりでまったく勝手が分からない、親がきてしまうぐらいに家族に恵まれる、さまざまな女たち。作演をはじめ三人の男もでてきますが、意識的に添え物な印象。

正直に言えば、人数が多すぎる感じはします。賑やかしでもなく、生きていない役がある感じ。物語がこの人数を要請しているわけでもないと思うのです。もう一つは微妙にナイロンぽい感じ。母と家政婦の「出来る・出来ない」のあたりのひっくり返しの感じにもっともそれを感じます。

職場の規律の面倒くささも女性の職場っぽい感じ。昼に観た「北限の猿」とは違う切り口だけれど、人間の関係の面倒くささという点で近い感じがします。

漫画家、妹、元夫、現妻のさまざま。仲の悪い姉妹、過去にはペンネームに使うぐらい仲よかったのにというあたりを主軸。居なくなった人のことを心配するのはもちろん正しいのだけれど、ビジネスの方はその漫画家が居なくても描けるのに、何を逡巡しているのだろうという感じはあります。第一アシスタントのこだわりなのかどうなのか。他の女性たちもずいぶん面倒臭い感じがぷんぷん。

アタシは男ですが、どうしても女性たち自身の言葉や物語という感じがしません。男が見ている女性たちをサンプリングした感じが違和感を持たせます。もちろんそれは大きな問題ではなくて、きちんと見せ場も楽しめるところも沢山あって、「ありそうな感じ」を沢山見られる楽しさ。

辻沢綾香の微妙にコンプレックスな感じ、津留崎夏子の「媚びる」感じ、梅舟惟永の斜に構えてるように見えてまっすぐな感じがそれぞれに魅力的。

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