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2010.01.04

速報→「新年工場見学会2010」五反田団

2010.1.3 19:00

毎年正月恒例のイベント。4日までアトリエヘリコプター。休憩20分弱をはさんで200分ほど。休憩中のホットワインは無料、1Fロビーはカフェ営業で豚汁・焼売やアルコールの販売も。終演後も営業しているのはコクーンも見習うべきだと思ったり思わなかったり。

1. 黒田・赤堀は友人と連れだって男三人でテーマパークへ。海賊の人形の間を舟で通り抜けるアトラクションに入った三人はやがて海賊に捕らえられ、海賊王と対決する羽目になる。得意分野でいいと云われ演劇で対決することになって「俳優のニセモノ〜黒田の一生」(五反田団)
2. 村人と仲良くなりたい赤獅子が人々の前に姿を現して「泣き赤獅子」(紅虎会)
3. 金子は中学高校と女性とつきあうこともなく、桐朋に入学して演劇の道に進み「演技道のニセモノ〜金子たけのりの半生」(ハイバイ)
(休憩)
4. ザ・ノーバディーズの演奏(耳鼻科、平成二十二年、図書館員、正月)
5. 人間とこけし、何気ない正月の風景のような「こけしのおしゃべりと詩の朗読」(グミの実・南天・山椒の木)
6. ラジオ番組・(東京ウエッサイ「街角相談室」)、の様子「万有引力」(ザ・プーチンズ)

いつもの通りにゆるゆると。何の対抗心かコクーンに今かかっている芝居とほぼ同じ時間はさすがに長い。三が日だからこそもちょっと早く始まってくれるとうれしいなと思ったりもします。

「黒田の〜」は壮大な小劇場業界楽屋落ちオンパレード。小劇場の客やスタッフ以外を相手にする気がハナからない物語なのは新年会の余興的で、小劇場に慣れない観客にはあまりお勧めできない感じ。結構長かったり、やけに役者が多すぎて使い切れていなくて息切れした印象もあります。いわゆる現代口語演劇はスタンダードではあるけれど、それを今更新しいものとして取り上げるような語り口は確信犯だと信じたい(でないとすると、あまり趣味は良くない)。もちろんそのゆるゆる、やる気があるんだかないんだかわからない感じで笑えるのは抜けきらない正月気分とアルコールのせいばかりではなくて、楽しいのですが。

「泣いた〜」は獅子舞の演目っぽいけれど、たぶん「泣いた赤鬼」をこのフォーマットに当てはめた感じ。段ボール製の獅子舞とわりときっちり舞う兵藤公美の落差も賞がつっぽさも楽しい。

「演技道の〜」は作こそ岩井秀人だけれど演出は永井若葉という新鮮な組み合わせ。「道程」ではなく「童貞」を語るというツカミから、岩井秀人の語り口(実際には複数の役者が分担する)で役者の半生を描くという枠組み。中二的な感じから恋愛への流れ。恋人になったのに手を握ったきり先に進めないじれったすぎる大学生の男女のシーンが、今更あたしの気持ちに沁みてきたりします。菅原永二、2日のみて書いてあるけど出てたよなぁ。巧い。

「ノーバディーズ」は脱力系の京都からのバンドでこのイベント恒例に。前田司郎が好きで仲がいいんだろうな、というぬるさ加減を楽しむのが吉。

「こけしの〜」は、こけしと(絵を飾るような)額を使って人形劇っぽく使う感じ。人間とのかけあいや、大きさがバラバラの小道具を使ったりと、ハッチポッチステーションぽい感じなのだけど、こけしを動かしている俳優が丸見えなのがおもしろい。物語の語りたいことはさっぱりわからないけれど、面白がれるところがあちこちにちりばめられていて、ぶっとんだ実験感覚が楽しい。

プーチンズ」は黒子二人(一人は白いけれど)。ギターとテルミンの演奏とラジオ番組を模した語りを楽しむのです。絶妙な間合い感も楽しい。テルミン単独ではどうしても平板になりがちなのだけど、ギターとの相性は抜群な上に久しぶりに聴く佐藤沙恵のテルミンが抜群にうまくなったと感じます。やってみようかな、楽しそうだなと思わせるのには十分な破壊力もあります。いまはストリーミングだけのようですが、Podcastの配信が始まったらちょっと登録してみたい。

昔に比べれば食べ物も暖かさも格段。初期に使われていた場所が六尺堂アトリエとして使われていてそこを公開しているのもお得感がありますが、劇場で会った友人と呑みに行くのに気を取られていき損なったりするのもアタシ的には正月っぽい。

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