速報→「メッテルニヒ飛行場」トリのマーク(通称)
2009.12.26 16:00
トリのマーク、年に一回の劇場公演。60分。27日までスズナリ。
飛行機も宇宙船も空を飛ぶ機械がすべて禁止された時代。昔飛行場の格納庫だった場所を訪れる人々。禁止される直前に宇宙に飛び立った飛行士は禁止措置ゆえに戻れなくなっていて。
スズナリを横置きに客席。丘のような段差、舞台中央床面にハッチのような四角い扉。いくつか連なる格納庫の中らしい場所。いつものとおり、会話を一つの物語としてとらえようとすると迷子になってしまう感覚。柳澤明子・山中正哉・原田優理子の三人の語り口には安心感がありますが、藤田早織・大畑麻衣子はアタシが慣れていないせいもあって、つかみ所に苦労します。
書くことがないのに報告書を出すノルマだけがあったり、この場所の何かを知っている風だったり。後半には久しぶりに観る「さかな男」が出てきますが、そういえばほぼ無言の不条理劇になってしまうこのキャラクタ、アタシは得意じゃなかったな、と思い出したり。
飛行が禁止された時代、でも大気圏の外側では飛び続けている人がいるという感じとか、あるいは報告書のノルマだったりというのは、少しばかり役所の硬直化加減を揶揄するようだけれど、それをコミカルにあまり昇華しないのは、彼らとしてはちょっと珍しい感じがします。飛び続けている人への想いのようなものがぎゅっと濃縮されるように感じる終盤のあたりが好きです。
もとアパートの中、という設定はスズナリのかつての場所から発想するということに繋がります。この場所での公演を何度かしていますが、毎回この場所から違う発想を引き出すのは楽しみなのです。
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