速報→「ネコロジカル・ショートカット・ネコロジカル」猫の会
2009.12.5 19:00
猫の会。実力派の役者をそろえての90分。7日まで日暮里・d-倉庫。
東京の郊外。おばあちゃんの住んでいたマンション。亡くなったあと遺品を整理して姉妹と猫が住む。隣はミュージシャン、反対の隣は爬虫類・両生類を飼う女。街には思い出を追いかけて廃線の痕跡を探す「教授」と、コンビニを切り盛りする姉弟、怖い男も居たりして。
正直に言えば、少々登場人物が多い印象があります。メインとなる姉妹・教授・猫に比べて周りの人々の描写が薄い感じは否めません。ならば彼らに見せ場を用意すればいいかというとことはそう簡単ではではなくて、ほぼ何もおこらないこの話を描くには90分という長さはほぼ上限に感じます。
飼われている猫が隣の家、反対の家、コンビニをするすると渡り歩く姿を描きたいということはすごく感じます。そのために芝居の中に「街」を立ち上げる必要があって、そのために人数が必要になっているというのはアタシの解釈。どこから来たかわからない猫がルーチンとして場所を渡り歩く感じは、猫に詳しくないアタシでも「らしい感じ」でおもしろい。日暮里という「猫」の聖地っぽい場所 の土地柄も楽しい。「神様」も含めて猫を演じた二人の役者(澤唯、池田ヒロユキ)の力は圧倒的で、抑えていても小気味よくて楽しい。
ジョージ線なる廃線後の痕跡を探しながら、自分の過去や土地の過去を巡ろうとする老人も、そんな街の奥行きを増やしています。練馬大火とかクラウンハイツという(おそらくは)創作の歴史をからめながらみえてくるのはちょっといい感じ。池袋から出る西武・東武系沿線を想定している(そういう台詞があるし、練馬だし)ようなのだけど、アタシの頭の中ではかってに多摩近辺 (1, 2)の印象に置き換えて見ていてそれはそれで楽しい。
2010.5.11追記。YouTubeにオープニング映像公開。
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コメント
たぶん元ねたはこれ。
グラントハイツ (Grant Heights) は、かつて東京都練馬区にあった、アメリカ空軍の家族宿舎。
啓志線(けいしせん)は、グラントハイツに建設された駐留アメリカ軍上級士官住宅居住者、関係者の人員輸送、物資輸送のため、上板橋駅 - グラントハイツ駅(旧啓志・現光が丘)間を結ぶ東武鉄道が運営していた鉄道路線。
投稿: きいちゃん | 2009.12.08 01:47
きいちゃん、
ども情報ありがとうございます。この手の話題が大好物なアタシですが、不勉強にして知りませんでした。うあ、ぴったりですね。そのうち遊びに行こう...
投稿: かわひ | 2009.12.09 00:11