速報→「西から昇る太陽のように」タテヨコ企画
2009.12.12 15:00
10周年記念公演のファイナルを飾る気合い十分の100分。吉祥寺シアターにて13日まで。
どちらかというと田舎にある廃屋を改装した陶芸教室に集う人々。日常に少々飽きていたり、喪失感だったり、夫婦がぎくしゃくしていたりする主婦たち。焼き上がりを釜から出す日、一日がかりの作業のあと、酒も入ってくる。そんなばたばたしている間に、見知らぬ男が山から降りてくる。会話がどうもかみ合わないが。
失ったものに拘泥してしまう気持ち。人ならぬものを滑り込ませるのが巧い作家は、人をさらうという伝承の天狗を登場させ、登場人物の子供時代に知っているという背景二見せたり、あるいは失った子供のことを重ね合わせたりと重ね合わせていきます。終幕で彼が手を出すシーンはまた別の「人さらい」の様相なのだけど、そうはうまく事が運んだりしないのは、大人の作家らしく、ほろ苦い。
出演者に若者の割合は少なくて、30代40代を中心に据えて。それぞれに夫婦だったり、この工房を支えている講師や息子たちの想いがめいっぱい。ゲストが多いこともあって、それぞれにしっかりと見せ場があったりの作り込み。こういう作り方ではどうにも顔見せ的で薄味になりがちなところなのだけど、トークショーによれば通しからは30分近く縮まっているということば通り、濃縮感がいっぱい。
東京と比較しての田舎という場所、そこに居続けることの主婦や夫たちの鬱憤だったりということが、アタシの今の気持ちに重なります。もちろん、主婦という立場だとまた違うのでしょうが。 少々欲求不満気味、マンガ的に描かれている主婦たち がどうにも強い感じなのは作家の持ち味。こういう物語の構成で「私を見て」というのは主婦側として持ってくることが多いと想うのだけど、それを男たち夫たちの側に持ってくることが少し新鮮な感じでおもしろい視点。
| 固定リンク
« 速報→「おしゃべりなレストラン~ア・ラ・カルト リニューアルオープン 準備中 ~」青山円形劇場 | トップページ | 速報→「プルーフ/証明(Repirse)」DULL-COLORED POP »
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「獄窓の雪」オフィスリコ(2023.12.04)
- 【芝居】「静流、白むまで行け」かるがも団地(2023.11.25)
- 【芝居】「〜マジカル♡びっくり♧どっきり♢ミステリー♤ツアー〜」麦の会(2023.11.25)
- 【芝居】「未開の議場 2023」萩島商店街青年部(2023.11.19)
- 【芝居】「夜明け前」オフィスリコ(2023.11.19)
コメント