速報→「In The PLAYROOM」DART's
2009.12.2 20:00
アタシは初見のDART'sの新作。開演は遅いけれどがっつり見応えある105分。6日までルデコ4。日曜日は満席近いという噂も聞きます。できればその前に。
ミステリー作家のファンの人々。それぞれに本を書店や宅配で期待のシリーズ最新刊を手に入れ読み始める。プレイヤーと名乗る犯人の残虐だがしかし手口とスピード感で人気のシリーズは6巻を数えている。
挟まれている招待状に目がとまり、謎に包まれている作家に会えるかもしれないという期待を持って渋谷の廃墟のビルに集まる。彼らを前に作家はスランプなのでファンを集めて物語を紡ぎたいという。プレイヤーから届いた挑戦状はプレイヤーが鬼となる鬼ごっこを、渋谷区の中に制限し60分の制限時間逃げ切ったら助かる、というものだった。
ミステリー小説的な語り口の序盤。その後は部屋の中心にテーブル置かれたを囲んだ役者はほとんど動きません。最初に全体に顔を見せる演出は、後半にかけてほぼ動かないこの芝居のしつらえでは正しい選択なのです。
徐々に参加者が殺されていき、作家は時間と可能性を確実に方向付けながら物語を運ぶ序盤。中盤までは殺されるシーン、あがく人々をきちんと描いていきます。リアルなシーンは一つもないのに、台詞と役者のちからで思わず泣かされてしまうような強さ。作家が方向づけ、適切に端折りながら疾走感を。
後半は、この世界の落とし前をつけるような流れになっているのは少々手垢を感じなくはないのですが、それでもきっちり嘘といくつかのサプライズをきっちり貫き通すことでちゃんと世界ができあがる凄みがあります。
劇場のあるルデコ×印を付けた渋谷区の地図が配られています。その中での鬼ごっこをおいかけながら楽しめるのは面白いのだけれどむしろ迫力があるのは、渋谷駅周辺、たとえばハチ公、東急百貨店、スクランブル交差点、宮下公園というあたりの細かな描写。 「12人の怒れる〜」につながるような密室劇風味の序盤がアタシは大好きです。笑いは少なめだけれど小気味よさもあって、ある種パラドックス定数のような緊迫感が楽しい。小さな椅子で入り口の側の最前列に座っても、お尻の痛さなんてものは感じないのです。
鈴木麻美は医者役がやけに多いけれど、アタシとしては「ドラマ進化論」の作家役が思い出されてがっつり。この座組でも声が圧巻なのは強み。川田希は、まるでラスボスのような最後の登場だけれどそこにしっかりと立つ力。探偵を演じた國重直也、作家を演じた服部紘二、編集を演じた島田雅之 の男っぽいがっつり四つも迫力。
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