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2009.11.02

速報→「smallworld's end」時間堂

2009.11.1 18;00

時間堂の企画公演。5本の喜劇を3つのブロックに分けて15分ずつ休憩を挟んでの計245分。3日まで王子スタジオ。最後列でも見やすく、むしろ椅子のクッションが厚くて幅もあって実は快適。

本屋を営む男、妻が自殺し母親と妹が葬儀に訪れる。刑事が麻薬の容疑で逮捕された男のことを訪ねてくる「星々を恐れよ」。呼び出された工員は上司に工員たちの不満を伝える「工場でのもめごと」。夫を亡くして一年経っても喪服のまま部屋に閉じこもる未亡人、夫の借金を取り立てにがさつな男がやってくる「熊」。仕事を探している夫、友人たちは仕事を紹介すると家にやってくるがほんとうの目当ては「かんしゃく玉」。アテネからの船が難破し、島に奴隷と主人が流れ着く。そこは奴隷たちが作った共和国という名前の逆転の島で。

ビルの路面店、ガラス張りまま改装したスタジオ。外の車の音も通行人の声も聞こえるような場所で芝居を見る環境としてはよくはない感じ。むしろ落語に向いているような感じがします。まあ、外から丸見えは木戸銭とりづらいですが。4時間越えということを聞いていて決死の苦行覚悟で観たのだけれど、外の音も時間も意外なほど気にならず。

「星々〜」はいわゆる古くさい翻訳文体のまま、しずかに語らせる演出。喜劇といっても笑える感じよりは、反社会的な日陰として人の目を気にして生きていくということと、女たちにモテモテでその女たちから逃げる術を知りたいということを対比させてちょっとクスリとさせるのだ、ということは後からタイトルをみて思いついた解釈。正直に言えば、決して見やすくもなくて少々長く感じます。

「工場〜」はわずか5分。役者のせりふ回しで楽しませるという趣向の寿限無風、笑うにはあまりに稚拙なオチをどうしたらいいのか迷います。ヒゲをつけた百花亜希が可愛いらしい。「熊」はチェーホフな感じの始まりから、終盤に向けてなぜかミュージカルのような賛歌になってしまう落差とイキオイが楽しい。クールビューティが身の上の境宏子が芝居くさい芝居をするのが珍しくて実に楽しい。たぶん原作は男役なのだろうという使用人を演じた戸谷絵里とうるさくてがさつで大男を演じた白鳥光治の対比も楽しい。「かんしゃく玉」はあたしが唯一知っていた戯曲。不満をなげつけるかんしゃく玉は、もっと女の側の使われ方だと想っていたけれどきっと誤解なのでしょう。割烹着姿の百花に見とれる。役を一言で括弧の中に表している当日パンフの、のび太、スネ夫、ジャイアンという説明が実にぴったりで楽しい。

「奴隷の〜」は超訳というよりは捏造訳という趣。ドタバタとしてあばれまわり大声で叫んだり。現代の言葉だし、楽屋落ちも満載にして見やすく作っています。原作なのか演出なのかいまひとつ判断がつかないのだけれど、笑いのとりかたにいまいちセンスがなくて、続いていくうちに飽きてくる感じがします。女奴隷が王女の過去の様子を語るシーンは今っぽくて楽しい。大川翔子のつっこみ姫ぶりの感じは好き。ティアラ姿に惚れるオヤジたちの感想があたしの友人たちにたくさん。でもむしろ部屋着こそがあたしのツボ。

毎日18時開演でも終演は22時過ぎ。時間がながくなったから二日に分けるように、というアナウンスはするけれど、いくらリピーター割をつけても一気に観れば2000円ですむものを追加料金を払ってわざわざ二回で観るインセンティブは働かないのだろうなと思います。そういう意味ではちょっと無茶な試みだけれど、そういう無茶もふくめて楽しむのが吉。

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