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2009.11.04

速報→「父産(とうさん)」印象(いんぞう)

2009.11.3 17:00

気になりつつも未見の印象(いんぞう)の2年ぶり再演作。90分。3日まで吉祥寺シアター。

父親に結婚する事を告げた息子。母を亡くしたショックで引きこもり状態だった父親がやっと生活を送れるようになった矢先、父親は息子を手放したくなく。相手の女は妊娠をきっかけに婚約したのだけれど、エコーで見えたはずの子供の姿が消えてしまう。父親と息子二人で一晩を過ごし、婚姻届を持っていく朝、息子が二人に増えていて。

タッパのある吉祥寺シアターを使うのは結構大変なのだけど、こじんまり作る手法はうまく機能しています。終盤でぱっと広がることもカタルシスを感じます。

へその緒や子宮を物語に取り込む全体の印象(いんしょう)は遊◎機械全自動シアター。物語の印象も(若い作演だけれど)少々懐かしい感じすらするにぎやかさの演出もよく似ています。笑いをとるには少々厳しい感じがしますが、大きな問題ではありません。

タイトルのとおり「父親が産む」ということ自体には少々無理矢理感はあるものの、息子の婚約者の腹から、というもう一つの無茶な嘘を重ねることで、婚約している息子が「父親として産まれる」という別の効果を再帰的に作り出すのは巧い感じがします。

カーテンを横に引きながら場面をカットバックするという演出はスピード感を持ちテンポを崩さないまま物語を進める効果。反面、その色があまりに白くて照明がそのままだと観客の目には眩しすぎるのはすこし厳しい。

産んでしまう父親を演じた関根信一は前代未聞の「ジャージ姿の白髪」と、どこまでも男役のびっくりだけど、圧倒的な力。笹野鈴々音も普通の女性という役は珍しい。ダンスの取り入れられた「捜し物は〜」は「ヨメの中へ」という言葉の選び方には違和感がありますが、動きはちょっと楽しい。

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» 感想も頂いております。 [魯祐の巻物 | yousakana memo]
やっと仕事の合間をみて、写真整理ができたので、 今回の公演の感想を書いてくださっ... [続きを読む]

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