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2009.11.21

速報→「D☆J(脱☆純情)~危なっかしくたっていいじゃない!?」鱈。/Hula-Hooper

2009.11.20 20:00

菊川朝子のユニット、鱈。久しぶりのワンマン。20日と23日。7th floor。2回の休憩を挟んで120分強。

ニューヨークで仕事をするマリー。仕事では好調、恋人も居るはずだけれど気持ちは晴れない。通りがかった老婆の言葉、故郷(サンタモニカ)の頃を見直せという。好きだった人に言いだせなかったあのときのこと。次の街はロックミュージシャンとしてのメンフィス。天才的ギタリストと結婚していてちょっとした遊び心で呼んだもう一人の女性のギタリストと夫が恋に落ちてしまい。そして再びニューヨーク。

大げさお約束てんこ盛り、70年代から80年代の音楽。休憩時間もDJでかかるのはドーナツ盤でジャケットを眺めながら歩き回ったりするのも楽しい。

当日パンフによれば物語を作りたいのではない、といいます。なるほど、4つのパートに別れていてそれなりの長さがあるけれど、物語としてはごくごくシンプル。ごく小さな気持ちや揺れを増幅して見せることが彼女たちの強み。そういう意味ではミュージカル的なのだけど、「台詞を音楽に乗せる」のではなくて「歌詞を台詞として喋る」という感じ。

恋人に対して、片想いの相手に対して、きちんと自分の気持ちを伝えることこそが、というのが全体を貫いていて、シンプルで実に気持ちを乗せやすい。昔の曲を台詞っぽく、パロディー的な使い方は強度のある歌詞を持ってくる時点で反則技なのだけど、若い作家にもかかわらず、やけにこういう古い曲に詳しいのもアタシの気持ちをつかんで離しません。

音楽の使い方の楽しさが彼女たちのもう一つの強み。「ここで起こったことは口外無用」に従って、当日パンフに書かれている安田奈加のオリジナル曲を書き出すと「小馬大暴走」「白河夜船」「乱暴なうた」「私のFのブルース」、それぞれ小気味よく楽しい。

全体に未完成な感じも少しばかり残っているのは多少気になりますが、少ない人数が多くの役をやるというのは悪くないのです。マリーが三人によって演じられるのも少々無茶なところはあっても、その時代時代で女が変化していくという感じでもあって楽しめます。

四つのパートのうち、マリーを菊川朝子自身が演じた第三章は「ノっている」感じてスピードがあって楽しい。今作に関して云うと、全体を通して沖田愛が圧巻。ああいう感じの小さくて元気印な女優がアタシは好きだと云うことは割り引いても、唄も台詞も、セクシー系からおとなしめ、チャイナドレスなどなど眼福(←をい)も取りそろえて抜きんでている感じで強烈な印象を残します

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