速報→「おるがん選集秋編」風琴工房
2009.11.22 19:00
風琴工房の小規模の公演。役者がずいぶん入れ替わった今公演は横光利一と鷺沢萌(wikipediaうあ、年齢ほとんどアタシと一緒で既に他界)に原作を求め多少の脚色を加えて。脚本付き。35分+休憩10分+60分。29日までギャラリー日月(にちげつ)。わかりにくいどころか、入るのに勇気が要るほぼ民家の構え。開演30分前から駒込駅待ち合わせのツアーがあります。
病気の妻を看病する夫。長い時間が経っていて互いに疲れもでていて。しかし、離れない「春は馬車に乗って」(青空文庫)
"おっちゃん"が死んだので喪主として戻ってきた男。おっちゃんと住んでいた女はすこし妙な感じ。男の恋人との会話がそれにだぶりつつ「痩せた背中」。
駅から離れている元民家(しかも、ほんとに普通に古いだけの文化住宅風邪の外観)にあるギャラリー。夜はそれなりに冷え込みますが、暖房も完備(ガスストーブは暖かい)。それなりに時間があるので、その時間で楽に見られる場所を選ぶのが吉。後半の芝居はちゃぶ台を使うぐらいの高さなので、二列め以降を使うのは少々勇気が要ります。
「春〜」は台詞だけをみていると恨み言、嫌みの応酬のよう。見ているうちに互いが想う想いのあまりの深さに振り落とされてしまいます。夫婦の情愛があまりに深くて傷つけあう二人。動きも少なくて、題材も華やかさには欠けますが、テキストをきちんと追う(戯曲がついているとこれが嬉しい)と、その深さを認識できるのだけれど、その情愛というものを、想像で読むしかないアタシは気持ちのもって行き場に困るのです。精を付けるための
「痩せた〜」は冒頭で携帯電話がでてくるなど、多少の脚色。書かれた時代とは違いますが、「春」が昔であることをしっかり描いているので、序盤でアタシの気持ちを現代に戻してくれるのは嬉しい。久しぶりに帰ってきた喪主の男、その養父的な「おっちゃん」は姿を見せませんが、最後の内縁の妻たる女と、男の恋人を交えてのあれこれ。目の前で演じられている芝居をみながらアタシの頭にあったのは、西原理恵子がいくつ書いている、高知の漁師町の話。あの話のような色っぽさの部分はないけれど、どうやって生きているかわからないおっちゃんと、若い後妻の話。これもアタシは未経験のことだけれども。
役者がかなり入れ替わっています。かつて「子供の領分」(1,2)が担っていたような、あるいはナベゲンが準備公演的に必要としたように次の一歩のための公演なのだと思います。それを目撃するのも観客の一つの楽しみなのです。
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