速報→「モロトフカクテル」タカハ劇団
2009.10.17 19:30
二年半前の初演の圧倒的なすごさがきちんと戻って来ています。役者はほぼすべて入れ替わっていますが、ホンの確かな力は健在で、きちんと。18日まで、座・高円寺1。110分。
大学、自治会の部屋を大学が強制収容すると通告してくる。この場所を守り抜きたいと思う二つのサークル。昔この場所を守り抜いた(伝説の)大学生に憧れてる人。学生運動のレプリカのようになっている若者たちはおぼつかない。
68年の、といわれると、生まれてはいるけれど、なにも覚えてないアタシです。学生運動の残★さ★も感じないで大学を過ごしてしまったアタシなのですが、その時代の空気は感じ取れます。
初演は圧倒的な感じでした。タカハの確変とまで云われたすごみのあるホン。早稲田の学生会館で上演されたというのはある意味、借景の場所のちからだったのですが。
ほぼ大学生で演じられたはずの初演に比べてしまうと、アタシの友人が云う大学生の身体が必要という意味はよくわかります。 今作の石川ユリコは初演とはちがうキャラクタで、実直にまっすぐ。個人的には静かに闘争の火を燃やしつつ、業のように男に気持ちを寄せる彼女の印象が圧倒的、なのですが。
それでも、有馬自由がきちんと場所をつくり、内に炎を秘めた初老の男。恋い焦がれて居るということは、やっと今回感じました。手話サークルの二人、虚構の劇団(座・高円寺の公演を観てませんが)の小沢道成のキャラクタが同じ感じで安心。対になっている、こいけけいこは笑い少なくても、まっすぐで気持ちを乗せやすい。畑中智行は悪役一辺倒ならば圧倒的に巧くて、キャラメルよりも合っている空気。恩田隆一は、どこか金八っぽくなるのをよけるべきだと思うのです。アカネを演じた奥田ワレタは中盤の闘いがおもしろい。リーマン、少子高齢、インフルエンザもすべて、という嘘っぽいデマを考えてなくて受け入れる感じで、しかし自分の傷ついたところの落とし前を男に向けるところがかっこいい。初演にも唯一出演している浦井大輔は時代な感じに満点。笑いひとつも無くても。酒巻誉洋、17日夜公演では声が枯れている感の不安も。
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