« 速報→「死すべき母の石」桃唄309 | トップページ | 速報→「島あつめ」トリのマーク »

2009.10.20

速報→「深情さびつく回転儀」電動夏子安置システム

2009.10.18 19:00

電夏の新作。125分。25日までサンモールスタジオ。

資産家の父親が娘に残した四棟の家。そこに住むことは無く下の娘二人はすでに売却したようだが、次女は父親の残した唯一のこの家を手放せずにいる。ゆえあってその一つに暮らしていた男女五人は隠された部屋にあるルーレットによって現れる人々と四つの家という場所が選ばれることを知る。

ロジックを全面に押したコミカルな芝居が得意な彼ら。ルーレットの赤と黒、偶数と奇数の組み合わせ4つを家に見立てて四つの物語が平行して同じ場所で動くように構成。目が出きった組み合わせの場はクローズしていく、というルールと、チップに刻まれたオプショナルな働きを組み合わせて物語を運びます。そういう話を作るのに、どちらかというとベタでドタバタ喜劇風の役者が結構居るというのが不思議な感じで、そういう意味ではクロカミショウネン18と似たところも併せ持ちます。

理系のはずのアタシですが、すっかり遠ざかったからかそもそも素養がないからか、ルールに縛られたロジックやルーレットと二枠の物語のリンクがあたしにはぴんとこない感じ。それでも組み合わせの中で空間が閉じていくとか、オプションの部分には物語にリンクするおもしろがあると思うのです。 娘自身が父親の愛情を得られていたのかに、にこだわるというきっかけは好き。四つの家と姉妹が対応しているのか、次女ひとりにこの家四つが与えられたのかは今一つわからず、前者だと思っていたけれどほかの姉妹は現れずなので後者なのかなぁ。愛情が自分に向いていたのかということの背景として必要なのはわかりますが、意味なくいたずらに物語を複雑にしているように感じるのです。

ルーレットの目で変わる6種類のマルチエンディング、というのが売りですが、どこのどれをルーレットで分岐させてるのかもルーレットの目も明らかにしていないので、台本を購入するしか確実に確かめるすべはありません。それでも疑えばきりはなくて、ルーレットの目が示されてないんだから、ほんとに分岐した上演があるのか、とか。もう一つ気になるのは、ルーレットを「回転儀」と呼ぶのだというのだけど、webではみつけられませんでした。ジャイロスコープじゃないのかなぁ..

七味まゆみは客演として中心を張り、しっかり。渡辺美弥子は美人なのにそこまで笑いをとるのかというコミカル、見開いた目の美しさも変わらず圧巻。菊池未来は雰囲気良く、ちょっと謎めいた感じも嬉しい。

|

« 速報→「死すべき母の石」桃唄309 | トップページ | 速報→「島あつめ」トリのマーク »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 速報→「深情さびつく回転儀」電動夏子安置システム:

« 速報→「死すべき母の石」桃唄309 | トップページ | 速報→「島あつめ」トリのマーク »