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2009.10.20

速報→「死すべき母の石」桃唄309

2009.10.18 15:00

中野ポケットを中心に二つの新しい劇場を加えて四劇場になった「ポケットスクエア」の一つ、「テアトルBONBON」のオープニングシリーズ。スタイリッシュに組み上げたミステリー仕立て105分、25日まで。公演中にはドラマリーディングやバックステージツアーなどの企画も山盛り。

フリータ暮らしの男が半年ぶりに実家に帰ると、一人暮らしの母親が殺されていた。すぐに忘れられてしまいそうな小さな事件で警察の捜査は遅々として進まない。

謎解き、というよりはその殺人が起きた背景や、東京という町の風景を丁寧に積み上げていく印象。殺人の起きた小さな部屋の中で出かけるでもなく鬱々としている息子、そこにいたる東京という場所の犯罪の芽がそこかしこにある場所であること、それを面白がる人研究する人もいて。町の持つ「意志」のようなものがそこにある、ということを描き出す視点がおもしろい感じ。

DJブースを舞台上につくり、全体としてビートの効いた音楽、真下に置いたライトの点滅の感じ、スーツ姿の役者たちと、全体にスタイリッシュ。クラブの雰囲気や、公民館、ネットワーク上の「会議室」、雑踏。さまざまな面を持つ東京という町の「暮らし方、生き方」を描き出そうと、こまかく区切った場は、切り替えのテンポも楽しい。ただ、刻み続けるリズムというのは両刃で、2時間近い公演となると物語はものすごく濃密なのだけどそれに反してじつはちょっと飽きそうなところもちょっと、というよりはアタシが単に寝不足だったというだけのことかもしれません。

。 街角の雑踏の風景すらもそういうスタイリッシュに、漏れ聞こえてくる声の感じと、丁寧につくった印象。イヤホンつけて歩いていると気づかないけれど、そうだ、こういう風景なのだと気づくのです。息子を演じた佐藤達はこういうフリータ風の気の弱い感じをやらせると抜群に巧いのです。

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