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2009.10.24

速報→「ソビエト -マヤコフスキィ生誕116年-」双数姉妹

2009.10.23 19:30

双数姉妹13年ぶりの再演。125分。25日まで座・高円寺1。

帝政ロシアの時代の劇場。皇帝が二日目に訪れる予定で警官による検閲がされ、直前に脚本の書き直しを余儀なくされる。開演直前になってもほとんどの役者は台詞が入らず、プロンプをするが、あまりの多さに混乱する。かねてから企みのあった役者は別に用意してあった台本をプロンプターに渡し。

あたしが観始めるより前の双数の再演。アタシが観始めた頃も、「コサック」などのソ連風のタイトルとスタイリッシュなかっこよさが身の上だった彼ら、役者も芝居もずいぶんと変わってしまった昨今だけれど、久しぶりにあの頃の感覚で楽しいのです。

当日パンフにあるとおり、「革命をプロンプした男」という基本コンセプト、舞台の表と裏に役者をそれぞれ配し、出捌けで変化させ、さらに「革命」でひっくりかえす、というシンプルだけれどいわゆる演劇的な楽しさ。

劇中劇がじつはわかりにくかったり、革命から少し後、三兄妹の芝居もアタシを混乱させます。男女のデート風をそれぞれが三人で支えるというのは、革命後のプロパガンダとして正しくて楽しい。芝居のあれこれに試し悩み苦悩するってのを楽しむのは、芝居見すぎてる年かさの観客の特権。

やがて浮かんでくるのは、夢を紡ぎ人を扇動したけれどその後の続かない苦悩。ぶちあげればぶちあげるほど、 続けるのが難しいというよくあるはなしなのだけれど、そこにも日常があるという視点は実に気持ちに合うのです。革命は起きても、人は生きていかなければならない、というのをきちんと語る中盤の「延々続く芝居」のくだりが好きです。まんなかのミュージカル風も楽しい。

中村靖はかきまわす為の役にふさわしく楽しく、序盤こそ滑り気味でも舞台をぱっと明るくさせます。仲坪由紀子×辻沢綾香、吉田麻起子×井上貴子の拮抗する感じも楽しい。

学生運動を知らない、という作家、先週の学生運動の芝居は一回り(以上かも)先の世代。今作の作家それでもアタシが初めて拝顔した頃に比べれば、ずいぶんと年齢は進んでいるわけでそれも含めて、楽しいのです。 天井も高く、幅も広いスカスカになりがちなこの劇場(客席通路の階段がなんか危ない)の高さをきちんと埋めています。このあたり、演出のちからを感じるのです。

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