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2009.09.06

速報→「THE DEEP」ネオゼネレイタープロジェクト

2009.8.5 19:00

NGPの一年ぶり新作は、B級魂溢れる海洋SFホラー120分。6日まで「劇」小劇場。

行方不明の遭難が相次ぐ海域。弟の乗った海洋調査船を追いかけ、友人のジャーナリストを頼ってサルベージ船でその海域に向かう女。果たして奇跡的に船はみつかり、30人のうちたった3人の乗組員にも出会う。が、何か違和感があって。

深海調査船にまつわる、水やホラーっぽさを満載の仕上がり。つっこみどころが満載だとしてもそれらしい説明をさらりとしかしきちんとしていることで、観客の納得度をあげています。そもそもが、バミューダトライアングルのような嘘くささがベースですの設定なので、そこにどうこういうのは野暮というもの。

この船の不気味さというのが語られたあたりから、「何が脅威なのか」は観客には早々に見えてしまいますが、それが徐々に登場人物たちにも明らかになっていく過程こそがこの手のホラーっぽい話の楽しみで。照明や音などの効果も少々安っぽいほどにがつんと効かせることで、70年代SFっぽい感じになっていて、アタシの世代ぐらいだと懐かしい感じすら。

劇小という劇場でわずか7ステージという規模のわりに、劇場に建て込まれた海洋調査船の一室は空間の広がりといい実に印象的。なんかもったいないぐらいなのだけど。

恐怖感をさんざんあおるわりには後半にコミカルな要素が増えていくのはちょっと面白い感じ。前半でしっかり枠組みをつくっているから、その世界の中で遊んでいるようにも見えるけれど、B級SFにありがちな、後半で物語り世界が綻んでいく雰囲気にも似ています。本作が綻んでいるわけではなくてそんな雰囲気をわざと作っている感じが面白いのです。

恐怖が決まればそれにどう対抗するかがポイントなのだけど、それっぽい納得感のあるものを引っ張り出してくるのもちょっとうまい。強引さがあることも自覚した上できっちり描いているのは楽しいのです。ゾンビが迫ってくるのを次々なぎ倒していくシューティングゲーム風の場面もちょっとそれっぽい。

モダン太陽族に続く吉村公佑が演じる弟が印象的。森脇由紀のアクティブな感じや石塚義高の冷静な感じが後半でみせるコミカルさに繋がるのも楽しい。笹野鈴々音は以外に珍しい普通の大人の役がじつにぴったりなのだけど、恐怖に声をあげる感じはホラーっぽい雰囲気によくあっています。

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