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2009.09.07

速報→「グロテスク」国分寺大人倶楽部

2009.9.6 18:00

国分寺大人倶楽部の新作。6日まで王子小劇場。アナウンスは2時間、でしたがほぼ110分。

個人経営の塾、夏休みの合宿。「お父ちゃん」と呼ばれる塾長と、問題を抱えていた若者の講師たち。塾生たちもリストカットや親との関係など問題を抱えていて。合宿の初日の夜、塾長の娘(言葉が理解できない。血はつながっていない)が、塾長を殺してしまう。講師たちはその事件を隠蔽していこうとして。

宗教めいた「お父ちゃん」の塾に見えるけれど、そういう信じるものに起因しているわけではない場所。お父ちゃんが殺されたあとでもこの場所を維持して、じぶんのしたいことが続けられるようにする、というあたりが全体の骨格かと思います。国分寺大人倶楽部(どうやって略したらいいんだろう)らしく、恋より先に体が繋がる感じが多くて、それは繋がることが日常に近くて、恋だの愛だのがもっと奥にあるという作家の世界の見え方がおもしろいのです。

本筋通りにいかない、無駄な会話にすぐ脱線してしまうのはイマドキの感じが良く出ていて楽しい(現実だと腹立たしいけれど)。

終幕、見学に来た学生のなくなっていた制服をかくしていたのは知恵遅れらしい娘のわずかな楽しみだったことが示されます。その直前のシーンは「お父ちゃん」の首を絞め(一度あきらめたものをお父ちゃんが手を添え、ガイドする)、押入の奥から制服を取り出し着替えて喜び飛び跳ねるように飛び出していく、気持ちを揺らされるシーンなのです。その前にあった死体のシーンでは下半身がでているのに、終幕はそうなってなくて辻褄があわない謎は残ります。でも、中盤で娘が押入れをあけようとすることを阻止した理由にはちゃんと繋がっていて。演じた望月綾乃はほぼせりふなしでも、その場所に居続けるという難しい役。ジェニー先生役の笠井里美は大人の色香をしっかり。

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