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2009.09.06

速報→「太陽の陽」G-up

2009.9.5 15:00

2008年の同居人作品(未見)のG-upによる再演。100分。6日まで駅前劇場。

中学一年の冬にイジメで自殺した男子生徒。その学校の副担任の自宅。妻は介護に追われるが明るい。娘は同じ学校の同級生だが最近新しい友達と遊ぶようになっている。夏になっても学校側の調査は依然として進まず、自殺した生徒の母親は時折ヒステリックな苦情を寄せている。副担任の男は風化する周囲に違和感を感じているが。

いじめに端を発する副担任の物語。とはいいながら妻に任せきりになっている自分の母親の介護の問題、娘の素行が怪しくなると友達とつきあうなと言い放つ姿、いじめに関しては何かできたのではないかという鬱屈した気持ち。30代後半から40代にかけての男が立たされる立場をさまざまな要素で丁寧に積み重ねます。状態の描写は実に細かいのだけれど物語は大きくは動かない印象があります。

勧善懲悪、二項対立とは行かない問題をあつかってるのでそう簡単にはならないのはもちろんなのだけれど、そこに描かれた男の姿のどこをどうアタシの中に納めていいのか、視座の持ちように戸惑います。 そこにある男の姿、周囲の様子のそこかしこの火種、終幕こそ家族のつながりに戻っていく感じは受けるのだけれど、それが解決というわけではなく。

とはいえ、そういうのも含めて人生か、と受け流すこともできないきまじめさの男。教師である前に父親である、というデッドロック感で身動きのとれない感じはアタシの気持ちに残ります。終幕ちかく娘が制服で男がYシャツ姿での帰宅、少々気になる感じ。物語を回収するためならば娘の友人についての外出になるべきなのだと思うのだけど、明確には語られません。

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