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2009.09.20

速報→「正しい晩餐(海の幸バージョン)」劇26.25団

2009.9.19 19:30

ニーゴー団の新作、二本立て公演のもう一方。似ているようでいて全く別の話に着地する100分。21日まで駅前劇場。

海沿いのペンション。B級カルト人気のある秘宝館以外はほとんど観光の目玉の無いところ。謎の生物「ツルポゴン」を目撃しながらも亡くなった父親の意志を継いで、今でも毎年捜索に訪れる四人兄弟。

序盤は海山のちがいこそあれど、ほとんど同じに見える物語。ところが、徐々に二つの物語はずれていきます。秘宝館のチケットをめぐる夫婦の関係、受験生の親子の関係、出入りの八百屋の想い。ネットラジオの二人組も全く違うキャラクタ。

主軸となる兄弟四人の物語も、大雨の中生物を探しに行ったあとの展開は全く違います。こちらの方が「晩餐」や「食卓」というタイトルに寄り添っている感じで納得感があります。

劇団所属の三人のやくどころは基本的には変わらないのだけど、たとえば赤萩純瞬演じるペンションオーナーの妻と夫の関係は違う色合いになっているのが楽しい。チケットを巡る夫の秘密を初めて知った山バージョンに対して、知っていたけど見て見ぬふりをしていた海バージョン。これ自体がサイドストーリーというかこれだけが独立した小さな話になっているので本筋にはあまり影響しないのだけど二人の関係の違いが楽しい。支える赤萩純瞬は派手さも奇妙さもないフラットな役だけど、こちらでもその力は確かなのです。

DJの二人のキャラクタが違いすぎるのはご愛敬としても、「普通の人が知らないカルトな単語」をあっさりとうっちゃるやり方も微妙に違っていて面白いのです。こっちはB級マニアが聴いているのだという前提で、何のてらいもなく流しているのだけど、二つのバージョンの違いのおもしろさ。

メインの物語は、こちらの方がより欲望に忠実で病的な感じがないぶんだけ、納得感。大筋で同じ物語を見たのが二回目だからより理解しやすいということはあるのかもしれません。それでもこの二バージョンで作家の描きたかった四兄弟の物語の主眼がどこにあるのか、ということは今ひとつつかみかねているアタシなのですが。

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