速報→「エモーショナルレイバー」ミナモザ
2009.8.9 18:00
ミナモザの新作はありそうで意外に無い振り込み詐欺の犯人たちを描く100分。9日までサンモールスタジオ。
マンションの一室。振り込み詐欺の掛け子たちの部屋。ノルマがあって順位つけられたり罵倒されたり。女には無理だと言うリーダーのもと、男ばかりのこの場所で、たった一人の女。女を捨てていて、と思われるし彼女もそれには興味がないが、この場所はどうにも愛おしい。
振り込み詐欺の犯人グループの部屋、そこにたった一人居ることを許された女。アイドルにはなれるわけもなくOLすら長続きしなかった、冴えない女が居場所を見つけられた場所。まるで自分の子供たちを見つめるかのような、というのが全体の枠組み。序盤から途中にかけてはこの現場のあれこれ。中盤ではノルマや順位やらのまるで会社の営業の現場のよう(いや、知らないけど)。その後には、電話かけさせてみてダメ出しの罵倒など(あたしは本当のことは知りませんが)演出の現場っていう感じの。
。 母親と子供という場所の枠組みは、振り込め詐欺が成立する土台となっている「頼られて断る母親は居ない」という物語の根幹にしっかりと結びつき、終盤の女二人の会話、出産とか子供とかの話しっかりとにつながります。じんのひろあきにも近そうな作家の、どこか社会を切り取るという切り口は実に冴えていて、ここ数作で比べても出色ではないかと思うのです。
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