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2009.08.22

速報→「反重力エンピツ」国道五十八号戦線

2009.8.21 19:30

国道五十八号戦線の新作。サンモールスタジオ、23日まで。105分。

古いアパートに集う人々。60年代からメンバーは若返りつつ続く学生運動。爆弾を仕掛けるという、新たな行動を起こそうとするが、爆弾を作る新たな仲間は妙な感じだし、メンバーな微妙にヒビが入っているし。

41才のアタシにすらリアルはない学生運動の現場。もちろん明治大学という彼らの出身が、いまでもその残滓を身近に感じられるということはあるかもしれず。緊急集会のたびにおこなうというある種の「儀式」も、国会解散の「万歳」に通じるような形骸化したプロトコルは古くささを楽しむ感じ。

集団闘争で反対し全員が勝ち取りたい何かが今の時代にあるのか、という根本的な問題はあるのだけれど、学生運動を今の時代に持ってくる「もしも」に発想する「ちょっとふしぎ」なSFとしてとらえるのはちょっとおもしろい。85年生まれの作家の、学生運動から宗教という流れにあったカルトに盲信することすらできなくなった時代になってから大人になった彼らはの見える世界は、どこかゲームのようですらあります。

そんな混乱した集団の中にあってすら、クールに見えて密かに盲信を育て続けるということを恐ろしいととらえるのは普通の感覚なのだけど、現象としては恐怖ととらえても、作家はそんな人間を愛おしく感じて(看板女優ということも含めて)描いているように見えてなりません。

向かい合う椅子に座り、人をモデルにして小説を書く、というシーンが幾重にもモチーフのように。きれいなシーンなのだけど、両方の対角線にするなど工夫はしていますが、端の席に座ると背中になってしまい残念な感じ。終幕のハマカワフミエのおそらくは表情豊かなシーンを楽しむなら、対面座席の入り口と反対側へ。アタシはそれがみられず残念。せめて対角線の上に客席がこないようにしたいところ。扉横にあるトイレは無くても、物語は回る感じがします。

ネタバレかも

こんなに小さい集団なのに、根を張る内ゲバの芽。というよりはがっつり計画された内ゲバのどんでんがえし。その中にまっすぐいつづける人が切ない。前の未遂の計画で死んだはずの、というあたりからは物語としては見えやすいものの、この着地点ならば、むしろ前半で内ゲバ対立軸を全て見せてあおった方が、どんでん返しっぽくてアタシは面白く感じるのですが、どうだろう(酔っぱらってます)。

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