速報→「マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人」DULL-COLORED POP
2009.8.15 19:00
史実( 1, wikipedia,) をベースにして小劇場のキャパのなかでこれだけの仕上がりを作家のオリジナルの戯曲で、芸達者な役者を揃えて。休憩10分込みの135分。17日までモリエール。横になるシーン多数あり、傾斜のない劇場の構造もあるのでこれからご覧になるならなるべく最前列を。
。 修道院地下の貧民院を毎週訪れ、ワインとパンを差し入れるマリー。原因不明で死んでいく人々は疫病だと噂される。同じ症状でマリーの父親も死の床についてしまう...
史実というのはもちろんあるのだけれど、まるで時代劇のような現実感がないのに、物語はまるで酒井法子の逃亡劇のようにドキドキしてしまうようなつながり。シンプルな舞台芸達者の役者陣も魅力。一歩間違えればこのせりふ回しは退屈なものになりかねないところなのだけど、 観客が芝居を見ている時に感じているよりはずっと速いテンポが観客の興味をきちんと繋いでいきます。
なによりも、このすべての台詞を作家がオリジナルのホンとして書き出しているということが心底すごいと思うのです。かつては観られた「オリジナルなのに翻訳劇臭い」感じはだいぶやわらいでいて、芝居の要請としての時代なりの大仰な台詞ではあるけれどものすごく印象です。
史実は知らなかったアタシですが、早々にネタはわかるように作られています。それを知ってもなお、舞台から目が離せない感じ。清水那保の圧巻はもちろんあるのだけど、支える役者の厚さ。大塚秀樹は、軽さをあわせもって見やすく。七味まゆ味は語り部としてのポジション。百科亜希とのラストシーンは笑顔一杯なのだけど、どこか不気味さを残す感も印象的。原田紀行のヤサオトコ、酒巻誉洋のキマジメな男も好演。宮嶋美子は実に眼福。
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