速報→「UNO:R」アップフロントエージェンシー
2009.7.4 15:00
メロン記念日が定期的に続ける小劇場規模での公演。新たに空間ゼリーの坪田文(作)・深寅芥(演出)を迎えての90分。5日までシアターグリーンBIG TREE。
なにも派手な物はない町。大雨の同窓会の夜。担任だった男は小さな喫茶店を開いて地元に居たが顔を出すことができなかった。二次会には行かず担任を慕ってあつまった仲良しの3人に、同窓会にはやはりいけなかった東京で暮らす同級生があつまる。
ファミリードラマっぽさを中心に据えた「かば」のシリーズ(1)に比べると、過去に刺さった太い棘を巡る、静かで暗い語りを中心とした構成。ある「事件」をめぐっての4人の一人語りは、いわゆるアイドル芝居ではないある種の挑戦を感じます。思いいれがこれぽちもないアタシですら、その落差に最初は戸惑いますが、主演の彼女たちに向かってするするとしっかり収束していきます。
おそらくはメロン記念日の彼女たちには、普段からそれぞれに与えられたキャラクタがあるのだと推測しますが、柴田あゆみはこの物語の中では異質のキャラクタで、馴染んでいない、ということもできましょうが、この舞台の中では首尾一貫して緩急を与えていて、むしろアタシにはガイドのよう。
物語はというと、わりと早い段階で構造は見えてしまいます。複雑さよりは後半一本しかない物語の上を慎重に歩くということこそが、作家にとっても役者たちにとっても挑戦なのだろうと思うのです。
元担任を演じた成川知也は慕われる一方、なんてちょっとうらやましく感じるのは年代の近いおやじ故の感想。妻を演じた平田暁子(年年有魚から一ヶ月でここまで)の少々コミカルさも含めて夫婦という形で「場所」を作ります。 女子高生を演じた空ゼ・西田愛季は主演四人に対峙しなければならない役をしっかり。終盤のコミカルさとの落差を付けた意図は今ひとつ見えませんが、アタシには見慣れた感じの安心感。
まあ、アイドルのイベントな上に三回回しなので仕方ないのですが終演後さっさと出て行けという態度なのはどうなんだろうなぁ。もうちょっと言い方ってものがあるんじゃないかと、思い入れがないアタシは思うのですが。
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