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2009.07.10

速報→「向日葵と夕凪」七里ガ浜オールスターズ

2009.7.10 20:00

海の見えるバーらしい店。同僚の美術教師だった地域の有名人の葬儀から戻ってきた元教師の男。教え子の男も現れ久しぶりの再会を喜ぶ。もう一人の教え子の女、亡くなった男の娘も姿を見せて。

アタシは未見。98年から99年ぐらいに上演されたようです。女性二人はP.E.C.T.でツアーまで組んで上演したままのキャストなのだといいます。初演されたのだという湘南の小さなカフェレストランの雰囲気(アタシは別の芝居で行っています)あるいは、直接関係ないけれど、湘南の海沿いにある小さな店や夕暮れ近い時間の雰囲気、あるいは初演での役者たちに想いを馳せ、自分の中での補完が、アタシの気持ちをより盛り上げるのです。

でてくる四人の、寄せ木細工のように密接にあちこち結びつく感じは都合がよすぎると言えばたしかにそうなのだけど、ネットで少々ググった初演の時の作家の言葉によれば、「意識的に情緒よりにしている」というのはたしかにそう。わずか60分をほどよい密度できっちりと物語る空気のなかにほろ酔いの気分で浸るのは至福の時間なのです。アタシはこの女優ふたりが、同じ舞台に居ることを目撃できたことが本当に嬉しい。

ネタバレかも

女ふたりの成就しなかった愛情の物語は二重に重なります。女どうしも久しぶりの再会だけれど、親族よりももっと強い結びつき。脳天気な男はそれに気づかない。しびれを切らした女はあのときに起きたことを説明すると、という構成。中盤の女性二人のシーンが説明に過ぎるというのは確かにあるのだけれど、ミニマムのこの構成ならば上出来も思います。

女にはかなわないし、積み重ねてきたものからでてくる弱気もあるけれど虚勢を張らずにはいられない、というのがアタシの見立てた作家像。その節回しでの物語の運びは、アタシにはじつに愛おしいのです。

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