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2009.07.19

速報→「プライベート・アイズ」フライングステージ

2009.7.18 15:00

120分。20日までOFF OFFシアター。

実はゲイらしい高校生の男。演劇部のもう一人の男子に恋をするが言い出せない。中学生の同級生がなぜか頻繁に訪れてある日、一緒に寝てしまう。幼なじみの女子が転校してきた夏の日。

高校二年生、恋愛する気持ちだったりヤりたい盛りだった、好奇心旺盛だったりのさまざま。ひと夏の経験、というのには少々盛りだくさんにすぎる気がしないでもないけれど、「起こりうる」いろんなことを刺激にも笑いにも走らず、ごくごく丁寧に濃密に描きます。 ゲイの、という枠組みから結局は離れられないのだけれど、好きになってしまうということ、それに輪をかけて高校生。制御の利かないこと、ありのままで居ることの難しさをたくさん。

男女の恋愛だけがノーマルとはさすがに昨今思いませんが、ならば好きになってしまったのがたまたま男、という思考停止に陥らず、ストイックな恋愛感情だけではなく、あんまり美しくない「やりたい気持ち」も実にストレートというよりぐちゃぐちゃ。 あるがままの自分たちの状況をここまで追いこんで描き出そうというのは、生半可な気持ちではなくて、劇中にも出てくる「役者は自己表現だから」ということの強さなのだと思うのです。

正直にいえば、120分の中に少々要素を詰め込みすぎた感じもあります。役者のレベルもさまざまで、少々荷が重く感じられるところもあります。舞台としての演劇部まではともかく、心情を端的に表すように使われてはいるものの、演劇のWSのシーンには少々違和感も感じます。

それはもちろんわかった上でやっているはずで、おそらくは一人の高校生のひと夏をきっちり描こう、そのために内面で隠していることも含めてすべてをきちんと描き出そうという真剣な気持ちがそうさせていることを強く感じるのです。

好きになったら云ってみる勇気と、結局は今に至るまで一人であることの現実。親に対してのカミングアウントを描く終幕のシーンはあまりに静かな空間に交錯する両方の想いはあまりに深くて、しかし重いのです。

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