速報→「A面・B面(あきら)」渡辺源四郎商店工藤支店
2009.7.25 18:00 [CoRich]
企画公演のもう一本。路地を挟んで斜め向かいの店・あきらはさんふり横町サイトではところどころ更新が間にあってませんが今年リニューアルされたよう。 (戯曲アーカイブ)
呑み友達だった単身赴任の男を看取った女。一緒に通っていた店で静かに呑み始める。同僚の呑み友達の男も姿を見せて。
居なくなった一人の男をめぐる「A面とB面」の物語。「纏編」が女将と男の色っぽい話ならば、「あきら編」は看取った女と離婚した元妻の物語。残された感のより強い看取った女の強い気持ち。終幕近くまでほぼ店から出ないのも、この場所と人に対する思いの強さが伝わってくるよう。東京から来た元妻にとっては既に過去の人だけれどそれでも最後の別れという気持ちも透け見えてきます。
二人の女の熱い想いの交錯。両方店での物語は挟んだ路地での二人で幕を下ろすのは共通。アタシの観た土曜18:00の回に関して云えば雨も風も強くラストシーンの雪の効果はいまひとつになってしまった感はあります。それでも、からっとしているように見えてねっとりした物語がしっかりと。「あきら」側にしか顔を見せない工藤由佳子の表情が絶品。こういう微妙に不幸な感じをさせると実に巧いのだけど、それだけじゃなくて呑み友達を演じた高坂明生とのコミカルで軽快なやりとりの序盤も居なくなった人との幸せだった時間を彷彿とさせるようで印象的なのです。
18:00の回はさすがに近隣も開店。近くの店の声が漏れ聞こえてきたり、普通の酔っぱらいが行き来したりと、コントロールは相当難しいはずなのだけど、なんとかきっちり。終演後1時間ほどは飲み食いを続けられるし、今回の店に限らず、青森に来たらまた寄りたい場所の一つなのです。いわゆる屋台村なので、観光客相手というよりは、普段使いに使いよい印象です。
「さんふり」はググればすぐわかる津軽気質なのだそう「えふり(ええふり-ええかっこしい)」、「あるふり(金のあるふり、持ってるふり)」、「おべだふり(覚えたふり、知ったかぶり)」 酒場っぽい感じの名前でこれもちょっとしゃれているのです。
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