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2009.06.25

【落語】「三之助をみたかい? vol.9」

2009.6.24 19:30

真打ち昇進の決まった三之助が続けている独演会。ちょっと遅刻しちゃったけど、のどの調子が悪いらしくて通常三席を二席にぎゅっと圧縮。まくらも短めでやれば出来る21時ちょっと過ぎ終演。日暮里サニーホール・コンサートサロン。

会社から運転手付きの車で戻った主人、迎えがないことから始まり家のあちこちに文句を付ける。奥さんは実家に帰るが父親に諭されて戻り「かんしゃく」(なぜかwikipiediaにはエントリがない)
植木職人がお屋敷で見聞きしたことを家に戻って「青菜」(vol.4でも)

ちょっと友人という気持ちが勝手にあるアタシですので、この会で選ぶ噺に、勝手に文脈を感じてしまうのです。奥さん(かみさん)をフューチャーしたと思うのだけどどうだろう。

「かんしゃく」は初めて。明治期の新作なのだといいます。たしかに言葉遣いどころか所作、出てくるものすら違います。もちろん、途中で着地点は見えますが、落語ですからそこは大きな問題ではありません。前半での主人の理不尽さをどれだけ出して、後半の落差をどれだけ出すかが落語としての骨格だだと思うのですが、アタシが好きなのはその間を繋ぐ、実家での父親。時代とはいえ、夫を立てることを諭すというところから入りつつ、じゃあ娘(妻)自身はどうしたらいいのか、ということがちゃんとソリューション(今風だなこれ)があって、それを実行したら、圧倒的に幸せ、という感じが実にいいのです。この諭す三之助がちょっと凄い。

「青菜」は途中まできて過去に聴いたことがある噺だと思い出しました。外で見てきたことを身の丈に合わないけれど真似するおかしさが爆笑編につなぎますが、そのおかしい夫婦の姿が、あふれるほどの愛情を感じさせて実にいい噺なのです。押し入れに隠れる、なんてことのばかばかしさとその情景が目に浮かぶのです。

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