速報→「苔の心音」あさかめ
2009.6.6 18:00
あさかめの新作。前回の二人芝居を経て、8人構成で内面を見つめる130分(休憩10分込み)。7日までC.A.Factory(現代美術製作所)。この週末は曳舟から東向島エリアの神社のお祭り。防音が十分ではない場所、しかも冷房が入らず反響のきつい場所なので覚悟を。囲みの客席、アタシの座った奥側壇上は実は温度が高いらしいので、選ぶなら舞台と同じ高さの場所を。休憩時間中のおしぼりやら、改良されたという扇風機やらこの枠組みで精一杯のホスピタリティは間違いなくて。
心臓の部屋、と呼ばれる場所。そとからいろんな人が来て、その場所に居る姉妹と会話して元の場所に戻っていく。そこには妖精が住んでいると云われ、そこから外に出ていく扉を管理していて。
その場所で均衡が保たれている場所、そこから出ていこうとする人、その場所に居続けようとする人、さまざまのバランス。作家(演出も、妖精役までも兼ねて)はどちらかというと抽象的な言葉で、その場所を描き出そうとします。 この部屋に住む姉妹。前半では妹がほぼ言葉をしゃべらず、後半では姉が体調を崩しているという様相。休憩前後で男が妹を口説こうとして休憩を挟んで男が「空っぽに」なっているあたりは、作家も30男(という台詞まで別の場所であったりしつつ)とはいえ、男子だよなと思いつつ。 後半での姉のありように違和感がありますが、そう大きな問題ではありません。
姉妹、その場所に居続ける存在と出ていこうとする存在、ダーリンとハニーの関係なのにバランスを崩しているカップル、言葉を巧く紡げないけれど出来損ないの椅子を作りつづける男など、シンボリックに形成された役。反響もきついのでたとえば元気でなんぼな子供の役の声は耳に響きすぎますが、初日は聞けば超満員、アタシの観た回は20人強となれば、響き具合もだいぶ違うでしょうから仕方のない面もあります。
少々軽いダーリンを演じた安東桂吾が浮気心を伝えるシーンが実は好きだったりします。 居続けるコバヤカワを演じた辻川幸代は、この場所のあるべきニュートラルの存在でしっかり。それに対峙するアクツを演じた野奈との対比も楽しい。
死んだ、と云われて弔いに集まった人々が地面に横たわり、苔に耳を澄ませてというシーンの見た目は印象に残りますしばらくは、死者と生きてるものの視点をひっくり返したのだとおもっていたらさにあらず、この場所で暮らす人々にとっての慶弔の一端を垣間見る感じで少しおもしろい。
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