速報→「芍鸝(シャックリ)」乞局
2009.6.20 19:00
乞局の新作、少々混乱していきながら終盤でするすると収束する90分。駅前劇場。22日まで。
独立した国を作ったらしい会話のぎこちない人々。その創成のメンバーが第二期のメンバーを迎え入れる。その国の中央には便器があって、一人女が籠もっていて。
体温の低い会話から始まり出国とか入国とかの言葉から始まります。早く入ったわりに当日パンフを読まなかったアタシは、ホームレスの話だということをわからずに観ていたので微妙に混乱したりしながら。でも終盤に至りするすると収束しますから大きな問題ではありません。チラシの説明だともっと適切で、公園に居るホームレス、隔絶した生活はやがて自分たちが独立した国の住人であるかのような錯覚を生み、自らを神だと言い始めるが、すべてを背負う中心にはならない。そこにすっぽりとはまり込んだ女、という構造。
OLらしいベージュのスーツの女が何人かでてくるあたりでも微妙に混乱しますが、観ていると、一人の女が内面で自省とか混乱していたり、あるいは若い頃はあんなにすてきだったのに今は、というようなある種の幻滅などの一人の中を「分身」として見せるやりかたは混乱させるものではあります。でも、作家が女性に対して抱く距離感と崇拝感とがない交ぜになったような見え方が濃縮されて現れているような気がして、面白いのです。特に夫婦の会話は作演を兼ねる下西啓正が圧巻ですが、同時に女性に対して触れたいかどうか、という微妙な距離感。それでも当日パンフで子供が云々とかいていますから、それはそれ、なのですが。
ホームレスたちの方の見え方はそれに比べると人数が多い分だけ薄味になってしまっているような印象はありますが、「観客」に向かっての謝罪の嘘くささといったらなくて印象に残ります。
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