« 速報→「リサイクルショップ『KOBITO』」ハイバイ | トップページ | 速報→「例えば、皮膚」コマツ企画(孤天) »

2009.06.14

速報「LOVE 2009 Obirin ver.」東京デスロック

2009.6.13 19:00

劇団名に「東京」って入ってるのに東京では公演しないと決めたデスロックのぎりぎり神奈川での公演。2007年上演版を改訂再演。桜美林大学の、駅横にある施設・プルヌスホールで14日まで。80分。

前半は徐々に人が集まり、座ったり立ったりということで会話を成立させていき、好意があったり喧嘩したり。そこにはコミュニティ。後半はデスロックらしい、繰り返し、音楽、踊る。

演出に力があることはわかっているのですが、テキストを頼りに物語が見たいと思うアタシには少々難しい感じだというのは初演と同じ印象。あのときのものすごく狭い空間のあのライブ感に比べると、観客から見るとだいぶ印象が異なる感じがします。予定されている青森公演の広さの方が初演に近い感じ。

座り、立ちということを繰り返して関係と会話の間だの領域を丁寧に埋めていく前半そこで関係は見えても物語を感じさせるまでにはこの枷はあまりに厳しいとも思うのです。 このシーケンスは実に興味深くて好きなのだけど、これで感動するとか泣くとかいう感じには至りません。でも、アタシの周囲には何人もそういう人がいて、終演後に学生らしい人々が、感動してる人とワケワカラナイという人とで会話してるのを聞いたりすると、そういう会話の「きっかけ」になる強度があると思うのです。その気持ちのギャップを感じるためにデスロックに通っているというところはあって自分でもこの奇妙な惹かれ方が妙だなぁと思いながらもついつい。

中盤にはデスロックが一時期よく見せていた、強烈に踊りつづけて、繰り返しというタイプのシーン。踊りのシーンにかんして云うと人間が汗をかいてくたくたになりながらそれでも動き続けるというのはそれだけである種の感動はしてしまうのです。たとえはとても悪いけれど、アタシが通うジムの人々でもスタジオでそれなりの時間動くと上気して綺麗に見えたりするというのは、俳優だけのことではありません。それを差し引いても、女優(いや俳優全般に対して)というのは魅力を醸すのだなぁとも思うのです。

仕草だけで関係が言葉が発せられ、アイサツになり、やがて相手の好みを聞くこと、それに同調していくというのは人類の進化の過程を見るような後半。言葉をよりどころにするアタシにはこちらの方がずっと迫ってくる感じ。ああ、恋愛ってそういうことだよね、というのはすっかり忘れてしまったなぁ、駄目だなアタシ、とか思いながら見ているわけですが。終盤に至り、それが叫びのようなもの、まるで恐竜の鳴き声のようになってしまうのは、言葉が言葉として機能しない一面がある「時代の今」な感じでもあって印象的。

とはいえ、自分が諸手をあげて大絶賛はしないのだけど、こういうのが好きな人が結構居るという事実と理由を確かめるためにまた観てしまうという感じはあります。もっと濃密な空間であるグリーンパーク公演に行く、なんて声も聞こえてきて、確かにあの場所で見たいなとは思いつつ、んー。

|

« 速報→「リサイクルショップ『KOBITO』」ハイバイ | トップページ | 速報→「例えば、皮膚」コマツ企画(孤天) »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 速報「LOVE 2009 Obirin ver.」東京デスロック:

« 速報→「リサイクルショップ『KOBITO』」ハイバイ | トップページ | 速報→「例えば、皮膚」コマツ企画(孤天) »