速報→「PRIFIX2」王子小劇場
素舞台が基本、そこで次から次へと出てくる役者が楽しい。17日まで王子小劇場。全部をみると3時間ぐらい。
■柿喰う客「邪道・プロポーズ」
アントンとチェーホフ。ネタを合わせの場所。プロポーズにきているのだけど、二人の家の間には土地とか微妙な諍いがあって。
もちろんアタシは読んでない「結婚申し込み」を原作に、漫才師のネタ合わせというフォーマットに詰め込みながら、要素を細かく押し込んだ構成。緩急をつけながら見せるのは見事。
が、60分の枠に対して30分ちょうどで終わってしまうというのはどうなんだろうと思うのです。先週のそれも同じような感じでしたから、王子は二週連続でその被害に遭っているといっても過言ではありません。さすがに責任を感じたか作演のピン芸で10分強を足しています。前半の30分は好きなフォーマットだけど、作家は猛省すべきだと思うのです。このままいくと次は公演中止の悪夢がちらつきます。
■PLAT-formance「iregular」
ある総理が辞任するまでのものがたり、20分。
どういう出自かはわかりませんが、ニュースペーパー風の政治ネタコントを二人組で。事実をつなぎ併せて笑いをとる、というのはまあお笑いのネタとしてはアタシは好きな感じなのですが。もっとも、これが小劇場の領域かといわれるとちょっと微妙な感じなのだけど、テレビのお笑いのようで実に見やすくて、こういうことに対する役者の基本がきっちりしているという気はします。 若くてテンションもリズムもあってみやすい。このネタが彼らの持ち味なのか、他のものを見たいなと思うのです。
■仏団観音びらき「KWANNON CABARET」
キャバレーショー形式の20分。
オープニング、だめんず遍歴を告白する宝塚ミュージカル風味、バキュームつまり掃除の人の「ポリバケツ」。
緻密さよりは、突き抜けた感で勝負したい彼らなのだけど、20分では暖めるところまででタイムアップという印象。定番ネタなのだというバキュームあたしは初見。ワンアイディアで突き進むだけのインパクトはちゃんとあって。
■負味「負味と申します」
1.英語かぶれの男の発音と役に立つセンテンス「オープンユアアイズ」
2.もうあとのない男、そこに突然音楽が「老衰が止まらない」
3.新しく買ったゲームは、のどかな公園に「バイオハンター2」(ほぼ映像)
4.不良になった少年は、演説集を聞いて、世をうれいて「オバマブーム」
5.バイオリン作りの少年の奏でる音楽に「耳をすまさなければ」
6.風景はどうみても西武線なんだけど「車窓の世界から」(映像)
7.ざんげをします。ノープランで出てきて「MCクライスト」
8.葬式風景に「葬式が止まらない」
9.新しく買ったゲームはあちこちに「ストリートタイガー2」(ほぼ映像)
10.受賞式なんだけど、どうやって砲丸投げたのかとか、そもそもメダルがないとか「オリンピック」
11.記憶を次々失ってしまい「メメント」
12.なぜか黒塗り「日米首脳会談」
■カミナリフラッシュバックス
OL4人が出てきて、脱いだストッキングをかぶって、戦う。
あんまり格闘技には詳しくないのですが、キャットファイトのような印象(いや、観たことないけど)プロレスに台本があるのは今やみんなの了解事項なので、そういう意味では舞台芸術になっていて20分としてはきちんとつなぎます。日曜昼はフライングが微妙に失敗したのは惜しい。
全体としてみると、どちらかというとお笑いのネタ見せショーケースの要素が高い感じ。この中では「柿」はずいぶん芝居寄りのつくりですが、60分埋めきれなかったのが残念。ほかはネタならばワンアイディアで続けられる時間をどれだけと見積もり、テンポで繋ぐか繰り返しで笑わせるかがアタシ的に重要なのだけど、そのバランスは全体としてはあまり巧くない感じがします。
名刺代わりのミニマルな芝居を持つのは間違いなく劇団を売り込むツールになるのは浸透しているけれど、それを「負味と申します」という挨拶代わりのタイトルにしてるのはちょっと巧い。
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