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2009.05.05

速報→「シュウさんと修ちゃんと風の列車/県立戦隊アオモレンジャー全国放送版」渡辺源四郎商店

2009.5.4 19:00

ラジオドラマを舞台に載せる東京限定のリーディング企画。音効もつけての40+10分、間に解説を挟んでほぼ60分。

家出した少女、ボックスシートに腰掛けて盛岡を目指すが、普通列車はあまりに遅くて、気がつくと目の前にシュウジと名乗る男がいて、電車じゃなくて蒸気機関車に引かれた客車になっていて。「「シュウさんと修ちゃんと風の列車」
青森を狙う全国の都道府県。秋田からの刺客・ナマハゲに立ち向かう県立戦隊。「県立戦隊アオモレンジャー全国放送版」

「シュウさん〜」青森出身の二人の文学人、太宰治と寺山修司の二人をフィーチャーし、この世に居ない人々が時間を超えて現れる話。母親と娘の微妙な複雑さをからめながら生きてること死んでることをきっちり。ラジオドラマという想像力に委ねられた構成は楽しい。東京に行きたいという少女の想いと、それを許さないという境界の上を行きつ戻りつしながらというのが本人の迷いを表しているよう。終幕のまとめかたは一瞬何が起こったかわかりにくい感じもしますが、きれいな感じ。

ラジオドラマの昔風を演出して、音効を生で見せる趣向。おそらく今の現場では使われていないようなローテク感満載なのは見ていて楽しいのだけど、見た目に派手な道具もあって、一瞬それに目を奪われてしまうというのはあたしが落ち着きないからですね。

東北の言葉、発音のいちいちがきちんと描かれている感じ。それは物語のリアリティには直接関与していませんが、会話での津軽弁は舞台全体の重みを加えています。

幕間の解説によれば、新幹線が到達する前の青森の家出少女たちは、普通列車で盛岡まで出てというのが定番なのを下敷きに、太宰と寺山という二人の青森出身文学人の共通点からの発想なのだといいます。

一転して「〜アオモレンジャー」はやったもの勝ち、どれだけ郷土色っぽいキーワードを詰め込めるかの勝負。もちろん出身者ではないあたしですが、言葉のリズム感、おそらくローカルだろうなというネタを微妙に解説しながらイキオイで乗り切る楽しさ。テーマ曲まで携えて、エレキと琴という異色のコラボも楽しい。こういうノリは劇団だからだなぁと思わせます。

「シュウさん〜」で工藤静香の見せた少女固有の頑なさは時に息苦しいけれど印象的。イタコねたで二本という工藤由佳子は笑わせるパートをきっちりとぬかりなく。普段はドラマターグの工藤千夏のノリノリ感の出演も楽しい。エレキの高坂明生もちょっといい

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