速報→「成れの果て」elePHANTMoon
2009.5.23 14:30
エレファントムーンの新作。いやぁな感じがどこを切っても金太郎飴のようにめいっぱい105分。26日までサンモールスタジオ。
古い一軒家に叔母や友人と同居している女。結婚することにしたが相手はかつて妹に暴行し、それでも結ばれることになったのだった。妹に知らせるとすぐにやってきて。
かつてのレイプ犯と結ばれてしまった姉が住んでいる少し田舎の町を舞台に。その男に今の仕事を紹介した同僚にせよ、気のいいボイラー修理工にせよ、おかま二人にせよ、大福工場で働く同居人にせよ、リストラで戻ってきた叔母にせよ、小説家志望の遠慮のない女にせよ、姉妹にせよ、その男にせよみんなが少しずつ壊れている。それなのにこの狭い世界が成立していたり、少々唐突な行動が目立つ感もあって都合がよすぎるとか薄っぺらいも云えるけれど、アタシは誰でも持ちうる感情の少々誇張した表出だろうと思うのです。それはたぶん彼らの持ち味で、久しぶりのこの公演にそれがたっぷり見られるのは、彼らの復活を強く印象づけるのです。
アタシの座った下手端最前列では、たとえば歯磨きとか、たとえば叔母が顔を隠して駆け込んでくるところが実は見えないという弱点はあります。これはもっとテクニカルに処理できそうな感じはします。あそこにタンスがあるのは「らしい」感じではあるのでよく理解できるのだけど。
被害者なのにまわりには少々疎ましがられる感じの妹、というのはどこか本谷有希子な感じもあります。が、それに負けず劣らずみんながそういう感じではあるのです。
ネタバレかも
何でもするという男に対して妹の策略(というより最後にきたおかまは粗暴に描かれていて彼の策略だなきっと)がちょっとなかなか。話としてはあっても男を暴行するというバランスを笑いなしで成立させるのは結構大変で、それを3人で構成することで成り立たせるのは説得力。そそのかし方、止め方のバランスにちょっと違和感あれど、そこにリアルを求めてどうする、という気もします。いやほんとに、怪我のないように、と願うばかりです。
¥ 姉を演じた津留崎夏子、終幕近くで男を拒絶するために本を投げつける表情が圧巻。どちらかというと静かめ控えめな印象の彼女がまさに苦痛に顔をゆがませるその姿はもちろんCGなんてことはないわけで、それも毎ステージというのはちょっと凄い。いや、それまでのシーンの微妙に薄幸な感じが実に惹かれるわけですが。最後の思わせぶりなメールや化粧は強く印象に残るけれどそれが何の行動に繋がるかは明確には語られません。
前回公演をまさかの公演中止としてしまった彼らという見方をしてしまうと、一つの事件に真剣に向き合いすぎる人と、それにこだわり続けてしまうしこりのようなもの、という点で物語の中にそういう香りを敏感に感じてしまうのは、まあ、よけいなお世話ではあるのだけど。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「眠レ、巴里」華翔(2026.02.21)
- 【イベント】「劇作家フェスティバル岡山『げきじゃ!』」劇作家協会(2026.02.07)
- 【芝居】「さらば曽古野遊園地」アガリスクエンターテイメント(2026.02.14)
- 【芝居】「夜の横顔」ジャブジャブサーキット(2026.02.14)
- 【芝居】「gaku-GAY-kai 2025 贋作・真面目が肝心」フライングステージ(2026.02.03)


コメント