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2009.04.06

【稽古場公開】「キレなかった14歳リターンズ」

2009.4.5 12:00

4月下旬からの6作品を上演するための公開稽古を一日かけておこなうイベント。関係者もそれなりに居たりするから、結構満員な感じで。横浜に住んでるわりには野毛界隈はとても久しぶり。「急な坂スタジオ」も初めて。この規模で使える稽古場ってのは確かにいいよなと思いつつ。幾らかかるかは知りませんが。

芝居をやる側、ってのはよく知らないので、完全に物見遊山モードのアタシ。公開だから気楽に。10分遅刻のおかげで演出席横のような特等席で。舞台の模型があったり、外でアニメーションの打ち合わせしていたり、舞台監督的な打ち合わせしてたり。雰囲気だけでも楽しい。全体としては一人70分。稽古を60分、質疑応答を10分、一番最後に6人揃っての会話と、その後花見(向かい側は野毛山公園なのです)

普段は日曜昼の芝居を見る前にご飯とビールかっくらっていくのですが、その時間は取れなくて。早い時間にしかも日ノ出町の京急スーパーの横(ウィンズもあるし、向こう側の川沿いには桜が咲き誇ります)からものすごく急な階段を昇って線路の上を越えてという尾道のように行くのが楽しい(EZ-web偉い)。夕方の休憩でも呑まないで見よう、と思うのです。

以下個別のメモ。

■柴・「少年B」
アタシの遅刻で10分ぐらいの遅刻で途中から。 14歳のちょっとした臆病さ、はよく出ている感じで暴れる側よりいじめられる側、みたいな視点の物語はちょっといい。役者の年齢でダブルスコア越えがあったりして、その上の側が近いのはどうなんだ、あたし。

■白神・「すご、くない。」
ダンス基本なのだけど。ストレッチ、大きさの確認に時間をとる印象。たしかにちょっと暴れる感じなので、真っ先に危険を避ける動きを確認するのはやるべきことです。自由な人々をぶちこんでいくところはちょっとおもしろい。

■神里・「グァラニー」
ホワイトボードを出してきて東京についてというのを15分ぐらい。ここで時間を使ってしまった感。神田・秋葉原が重要なのが何故かは結局わからず。 転校してきたこと、自分の思い出語りと母親、最初のシーンはわからないけど。 要所を見せてる感じはしますが、パラグアイ生まれじゃないのね。最後のトークでは公開用に嘘の稽古をするという策略をしたりするのだけど今回は違う、らしい。

■篠田・「アントン、猫、クリ」
既に30分通せる状態。たった二人だけれどそれをプレゼンテーションして悩んでいることを素直に打ちあけて、自分のやりたいことを云って、意見をもらうというスタンス。ものが生まれる瞬間を目撃できるというのを見られるだけでもお得感満載。 全体のスタッフがfaifai系という強みはあるけれど、他のグループの役者やスタッフを巻き込んで引っ張りだしてしまう強みというか。 呼び込まれた人々もおもしろい。ダンスは好きじゃないけれど、太ってるなら太いなりの動きがあって。平面になってしまうのはなぜだろう、どうしたら立体というか、空気感を立ち上げられるんだろうというのが、今回の悩みの骨子なのだけど、ならばその狭い場所を描写するよりは部屋全体を描くのもありではないかとおもいました。

■杉原・「14歳の国」
唯一外部の既存戯曲。すべて通す感じで。本ができている分だけ迷っている感じはあります。山崎皓司という役者をより所というか特異点として描くのは成功しているような気がします。

■中屋敷・「学芸会レーベル」
普段の稽古の流れをそのまま短縮してという構成。雑談(北海道公演のおみやげなど)から始まり、 三文字以上のことばを云いあうゲームを経て。 いつものとおりの「柿」風のテンション芝居。薄々思ってはいたけれど、演出は音を聞いて拠り所として演出しているということがちゃんと見えてきます。(最後のトークショーでもその旨の質問あり)

■全体として
イベント向けに使われるような短編と同様、こういうカタチで稽古場を見せるのは演出としての戦略に大きく影響される気がします。 もちろん、稽古場の公開を見せ物として成立させるかどうかということはあるのだけど、それを見に行く側としては、やはり見せ物になってる方が嬉しいのは事実で。笑いが多いというのは確かに観る側の緊張感に影響はしますが、それよりも、その場で何かが生まれているという感じを持たせることができた篠田(普段の稽古場の人数の少なさを逆手に取っています)や、特徴ある舞台が生まれる現場の空気を再現できている中屋敷はやはり印象に残ります。

最後に6人が出てきて、質問、復習をするのはこういうイベントとして正しい。昼から最後まで時間をきちんと測って例外を許さないというのも部外者の印象にプラスに働きます。 今日観た稽古場がそのまま舞台に載るとは思えませんが、何かが生まれる場所、何かを生み出そうとする場所というのは刺激的なのです。

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