速報→「グァラニー ~時間がいっぱい」キレなかった14才りたーんず
2009.4.29 14:00
キレなかった〜、岡崎藝術座の神里作品。75分。5日までアゴラ劇場。
子供の頃の思い出、パラグアイに引っ越して行った日のこと、帰国してのはじめの頃のことは忘れない。
稽古場でのあれこれの雰囲気では自分の本当のことなんか見せない、フェイク満載の作家という印象が強かったのだけど、今作を観る限りは、そのある種の照れは前半の男の語りにほとんどを集約した印象。かっこいい台詞とか良さげな言葉とかを冷静に見ている作家自身の視線が見えるよう。
白いドレスをまとった女優たちから、舞台を作り日常の衣装にとけ込んでいく流れは洒落ている感じ。中心にいる男が作家の姿だとするならば、それを抱くように囲む白いドレスの女性たちはなんだろう、と考えるのです。
飛行機でパラグアイに渡り、帰国したあとの母親との喫茶店での会話を挟みながら、音楽をベースにしながら恋心や移動教室の思い出を軽快に。緊張する気持ちから、その土地での暮らしにしっかり根付いた感じで前半は進みます。 帰国したあとだろう会社の同僚の話をはさみ、そこから一気に結婚・出産のようなシーンを挟むと時間はずっとすすみ、別の人を軸にして、「帰国した直後の子供」のシーンに。正直に言えば前半と後半を繋ぐものはサザンオールスターズ、という言葉ぐらいな感じで直接のつながりがなくて一筋の物語として追いかけようとすると少々戸惑います。
帰国し、教室で紹介され、興味津々の友人からの質問がひと段落すると支配する気まずさ。パラグアイと日本の違いみたいな会話じゃなくて、もっとふつうの会話がしたいのにと思うけど、その友人は「変わった子」のような扱いをしていて。別に帰国子女じゃなくたって、「ひとみしり道」への第一歩、あたしの自分の話に引きつけると、その気まずさとか距離感の取れ無さの気持ち、痛いほどわかるのです。
そのあと終盤にかけての母親の登場ってのがふるっています。そこを恐れるな、先へ進め、友達を作れという叱咤激励が実にいいシーンなのです。もしこれが実話からだとすると、その母親の強さのようなものが存分に感じられて、うっかり(失礼)感動してしまうのです。そういう期待をしないで無防備に見てしまったアタシはあっという間に撃沈。をを。
終演後のロビーでは学園祭のようなイベント。アタシのみた29日マチネ後には、白神版出演の池田義太郎による「デブ学」というトークイベント。人の良さがにじみ出る感じで、楽しめます。30分程度のふれこみを45分で。どうして太ったのかなんてことをつらつら分析。小劇場の座席では肩身の狭い想いをするし尻も痛い、デブにも優しくあってほしいと申し入れる、なんて気炎もほほえましい。
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