速報→「転校生」フェスティバルトーキョー・SPAC
2009.3.29 18:00
94年初演・青山円形劇場の転校生(を10年以上の間を経て飴屋法水演出。SPARCの静岡公演(未見)をひっさげて、フェスティバル東京の最終演目。29日まで東京芸術劇場、中ホール。
教室、徐々に登校する女子高生たち。HRで担任の休みを知り、教室は騒がしくなり。そこに先生もいないのに転校生が現れるが、明らかに違う感じで。
青山円形の初演をみては居るのですが、物語の記憶はほとんどなく。ワークショップ選抜された当時女子高生(多分)たち、桑原裕子、青山麻紀子、田村友佳、端田新莱、渡辺香奈、井口千寿瑠、石村友見なんて役者たちののほぼ初舞台だったという奇跡の舞台。青山円形という小屋の広さもほどよくて。
それに比べると、今作は少々やりすぎの感。何が理由かはわかりませんが、大人たちの都合だと思うのです。たかだか4500/3500円の舞台にフェス全体のこの豪華なパンフを配るというのも昨今の状況を考えるとどうかしています。いや、客としてはもちろん嬉しいわけですが。
もちろん出ている彼女たちには全く罪はありません。役者はこれほどの大舞台、声はあやしいけれども、瑞々しくて眩しい。作家が書いた枠組みにはまるようにワークショップで誘導されただろう初演とはもちろん話題も異なっているのだけど、でも残念ながら生きている女子高生の言葉ではない感じ。 ラストシーンはさすがに生きているものの力強さの圧倒感なのだけど、それも友人に聞くとモチーフとなる映画(園子温監督『自殺サークル』-youtubeに"Suicide Circle"としてありますが、1'15"以降はスプラッタにしてもあんまり趣味が良くないので見ないこと推奨)があって、あれれ。 が、観てみると、演出はそれを知った上で作っていることがよくわかります。映画ではホームに飛び降りる女子高生たちなのだけど、今作では手を繋いだ彼女たちは両足をしっかり地面に踏ん張り、生き続けていきます。それを執拗に繰り返して生きていくことのチカラと誇示するのは、確かに感動させてしまう圧倒感があります。その意味では青山版よりも生命感あふれていて。
転校生という役を、年かさの役者にさせるというのは、アタシの記憶にはありません。詰め襟を着て「風の又三郎」風味なのはよくわかりますが、対立するでもなく受け入れる側でもなく。対比するという構造はよくわかりますが、ならば男でも、あるいは女子高生自身でも成立すると思うのです。
オープニングでやけにネタバレ感になります。映像、「転校生」→「転生」「生」と消えていくのです。しばしここに居る、ということでは転校をし続ける子供とか、朝当たり前に学校にきて、明日も当たり前にあえることを前提にさよならっていうとか、ということ。最後まで残る転校生は、明日また会えるのかということを最後まで気にしながら。この物語をアタシの中に記憶として刻み込むことが出来たのはたしかに嬉しいのです。
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コメント
(泣)かわひ様ぁ、小夏もこれが初舞台だったの。
当時はまだ本名だったけど・・忘れちゃ嫌(泣)
投稿: 小夏 | 2009.04.13 00:03
し、失礼しましたっ。「初」かどうかを確認する手間を惜しんでしまったが為に。
ええと、でも、実は初演の記憶ってほぼ全体無いので許して下さい、ませ。
投稿: かわひ_ | 2009.04.13 01:17