速報→「お弔い」ラックシステム
2009.3.22 18:00
15周年を迎えるラックシステムの新作。このあと今年度中に二本の公演、楽しみ。130分。22日までスズナリ。
事故で突然亡くなった老婆の部屋を整理に訪れた社員や古物商たち。戦後10年、質素に暮らしているとはいえ余りにものがないことを不審に思った彼らは、彼女の秘密の部屋を見つけてしまう。戦中、中国で人気のあった女優の写真や撮影に使われたような洋服、装飾品がたくさん。映画会社の広報や大家、その財産に目をつけた詐欺師たちも藁藁と集まってきて。
泣かせる関西弁芝居という印象のラックシステムなのだけど、笑わせる序盤、コンゲームにも似た謎が謎よぶ展開の中盤、女優と部屋主の関係の謎解きの終盤という構成は巧いなぁと思わせるのです。
遺品を整理する中でさまざまなものを値踏みしていく序盤のシーンはリズムも良く、関西弁によくあいます。笑いも多くて、安心して進める物語。
そのあとにいくつかある詐欺師のオンステージがあとから思えば楽しい。もちろん観客もだまされているのだけど、その時代ならばありそう、という終幕直前の台詞も腑に落ちます。
リリパの役者にこだわらなくていいラックの座組では、魅力のある客演陣も。
武藤陶子晃子(ご指摘感謝)をラックでみられるのは不思議な感じもしますが、アタシには感無量ですら。関西の彼女の言葉が、この芝居の中で自然に流れるのがなんかうれしい。
京都人気質、というよりは京都人の大阪とは言葉も考え方も違うというプライド、アタシには真偽を知るよしもありませんが、そんな感じと思わせる説得力。その京都人、撮影所の広報を演じた八代進一は優男風、カッコイイ。
開演前に客を入り口と反対側に寄せる、というのは中央に座っていた客が下手によってしまうわけで、客の納得を得るのは難しいはずなのだけど、コング桑田という希代のエンタテナー、しかもオッチャンキャラ付きがすごくて、納得してしまうのです。もっとも、舞台の造りは、下手側によった方が見やすく作られているわけで、隙はありません。
さすがに昨今の状況では、弁当エイドとか、終演後のオマケというのを期待するわけにはいきません。それでも、有償パンフを買わないと配役がわからない、というのはちょっとしたことだけどケチくさく感じてしまうのがもったいない。いえ、webにちゃんと配役載ってはいるんですが。いえ、有償パンフだって買うんですが。
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