速報→「春よ、来ない。」くろいぬパレード
2009.3.1 15:00
アタシは初見の劇団です。手堅い人情話を110分。1日までポケット。
後継者不足になやむ漁港、市役所勤務で政治家になろうと志す男は派遣切りに会った派遣社員たちを漁師として雇う試みを始める。弟と父親は漁師をやっているが、父親は先のない漁師を自分の代限りとしようと考えていて。
コンクリート岸壁、向こう側に船のマストらしいものだけというのは、キーとなる漁船そのものを見せなくても想像させるには巧い方法。手前に漁協のテントがあってそこが主な会話の舞台になります。漁村のこと、派遣切りのこと、政治家と癒着とゆすりと男女関係と金、といった「地方らしい」感じのアイテムをズラリと取りそろえ。かといって声高になにかのメッセージということもなくて、全体に綺麗に描いている感じがします。
全体に丁寧につくられているのだけれど、時々ステロタイプさが顔を出す場面があって、船の中での情事や父親が死んだことを表すシーンなどを絵として見せたい気持ちはわかるのだけど、実はなくてもわからせてほしい感じはあります。
あるいは終盤の演説会のシーンを除くと全体に照明が暗めのシーンが多いのです。夜や嵐のシーンがほとんどなので仕方ないところもあるのですが、客演以外のほとんどの役者を知らないアタシには少々厳しい。
頑固で口数の少ない親父を演じた小林至はついに55歳という老人に近い領域に。しかし違和感がないのはたいしたもの。政治に燃えながらも女にどこかだらしない役人を演じた長谷川恵一郎はしっかりとしていて安定。その陰の恋人を演じた蒻崎今日子のほどよく隠された色気はちょっといい。男の募集なのにやってきてしまった女を演じた柳井洋子は全体に一本調子になりがちな役なのだけど、はじける一瞬が逆に印象的。その弾ける題材がどうなんだ、という気がしないでもないけど、テレビじゃないからそれを狩る気持ちになっちゃいけないのだ、観客は。
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コメント
JACROWの蒻崎今日子です。
ブログでひっそりと記事を紹介させていただきました。
リンクも貼らせて頂いております。
私が読みたいがためのリンクですw
ご来場ありがとうございました!
投稿: かものはし(蒻) | 2009.03.06 14:39