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2009.03.29

速報→「エスカルゴ」こゆび侍

2009.3.28 19:30

こゆび侍の新作。110分。29日まで王子小劇場。

かつては売れた詩人の家。妻のことを書いて詩集は売れたが、その妻は毒を抜くためと云ってバスルームに籠もって何年もでてこない。息子は大学をあきらめ、娘は父親と会話せず、友達が頻繁に出入りし。その息子に彼女ができて、連れてくるのだという。

終演後に聞いてみれば詩人は41歳の設定で、息子は20歳の設定なのだと云います。さすがに若い役者ではリアルにはなり得ませんが、むしろアタシの年代というリアル。観てるときは50だと思ってたのになぁ。若い作家なのに、こういう枯れたというよりオヤジ目線で女への視線がアタシのリアルな気持ちに重なります。←いやいや、なんのカミングアウト。

その妻を演じた浅野千鶴は若い役者だけれども、特徴ある声質が年齢をわからなくさせるのです。この声の心地よさったらないのです。息子の彼女を演じた佐藤みゆき、圧倒的に見ていた「柿」の客演などの成分をすっかり抜いて、次々と衣装が替わりながら実に清楚な美人という役は珍しい。うあ、こういうことができるから女優ってのは信用できないよなぁと思いつつ、目が離せないのです。オヤジだから。

暗い家の中に明かりがさしてすべてが幸せになると信じて。そのあとにあるのは絶望なのか、希望なのか。あっさりと、しかし粘度のある話を感じて

妻と毒というのは、下にあるのが「女」=妻、「母」=毒というのだというCoRichでの指摘。この流れで終盤息子娘が出ていった後に妻に戻るというのはこの流れ、実によいと思うのです。

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