速報→「アタシだけ楽しいの」バナナ学園純情乙女組
2009.3.14 19:00
バナナ学園、上がらないホンでもそれなりに見えるようになってる中日。本編100分、休憩10分を挟み「おはぎライブ」35分。15日まで王子小劇場。
中学校、入学式直後に校内闘争に巻き込まれて死者が出た一年生は反旗を翻そうとする。立ちはだかる生徒会役員。生徒会長は副会長の手に掛かり、混乱を極めていて。一年生が団結して組織を作るためには、顧問教師を見つけること、ランク付けされた生徒手帳のうち、6人しかいない「バナナ」の手帳を5冊手に入れることで。
学校の中がすべて、先輩は優しいものだった小学校から、先輩てのは怖いもの、になる中学校。一年生と在校生の対立軸での構図。アイドル志望という横糸をノイズのように織り込みつつ、男性もすべて女子学生の中、高いテンションで走りきります。人数も相当のものなのだけどきちんと。楽屋落ちっぽいところも挟みつつ(アドリブでは成立しないよなぁ。作り込まれてる。)
旗揚げから書いている作家のホンが遅いのはすでに周知、座付きではないから劇場に乗り込んで監視しながら書かせたり、という「伝説」ももはやネタの領域。果たして途中までは物語とか構造とか構図とかあるのに、ものすごくあっさり放り出されている感じは、よく言えば潔いけれど、物語だけでは走りきれなくなっている感じ。
しかし、それでも彼女たちはきっちり走るのです。歌い踊る若い女性を見ていると脳内が喜んでいるのは自覚できるのだけど、ミニスカートとキス以上に色気に走らないのは偉い。(中学生だしね)。
中学校の中には生徒と教師しかなくて、生徒の間には先輩と後輩があって、些細な日常が命を取るだのなんだのぐらいに本人たちには重大な問題なのです。
パフォーマンスな若い劇団といえばfaifaiが思い浮かびますが、スタイリッシュと普通の日常の間の行き来をしてる彼らに比べると、AKIBA、アニメ、YouTube、ニコ動というある種の泥臭さがあるバナナは対局にあると思うのです。実はちゃんと知らないネタばかりなのだけど、じゃあ、劇場上の「鑑定団」で勉強がてら眺めますか。
上がらない本を待つ間に稽古していたという、おはぎライブはちょっとすごいのだけど、終わったようでだらだらと続くのはあまりうまくない気がします。ぱっとやってしまうのが勝ちだと思うのですが。それでも、ライブでの中学生の表面的なイケイケ感と、本編の中学生なりの内面の緊張感。その対比になるということで、これを並べて見せるというのは正しい。
酒巻のはっちゃけ具合が楽しい。前園あかりのクールでかっこよさ。高村枝里の目ぢから、梶井咲希のグラマラス、柴田薫もかっこいい。山口航太は器用ではないけれど、一度見たら忘れないビジュアルがよくて。
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