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2009.03.23

速報→「何処へも帰れない」Not in service

2009.3.22 14:00

Not In Serviceの新作。当日パンフによれば主宰は卒業なのだとか。21日まで早稲田どらま館。125分。

小さな国、国家運営コンサルタントとして民間企業から派遣されたスタッフたちのオフィス。内戦からやっと復興を始め、国の発展が始まったところ。が、周囲の国の政情不安から、内戦の火種はもういちどくすぶりだし。

大使館などの政府の機関ではなく、コンサルという民間の企業のスタッフがその国の運営をサポートをしているという構図。新進気鋭の政治家なんてのも突然訪れたり、環境を錦の御旗に勝手な行動をする人なんてのも訪れたりするけれど、少数精鋭のスタッフはちゃんと機能していて。かつて別の国で内戦を止めたなんていう伝説に近い活躍をした男を主軸に据えて物語は走ります。

中盤、本当に国のことを思っている政治家と、その本に共感する男という感じのシーン。青臭さいっぱいだし、荒削りな作りという気はするけれど、若い作家が書くゆえならばむしろ古風ですらあるスタンダードは安心感。

が、その青臭い想いは、後半になってあらぬ方向に舵を切ります。いわゆるヲタの一面が顔をみせ、それもこの社会の今の姿を確かに描いていて。なぞめいた男の対話相手もその妄想の延長か、と思っているとさにあらず、成立しない一途な想いにとらわれた元首や、あるいは母親の姿に重なっていくあたりは美しい感じもして、ちょっといいのです。

カードゲーム感覚だったり、その国の人に対する思いだったり、あるいはなにをより所として国を作っていくのかなんてことを幾重にも重ねていく終盤は、見応えはあるものの、未分化で整理されていない感じがあって、おそらく出したかったであろうスピード感よりも、過剰感の方が勝ってしまっている感じがするのは惜しい。でも、そういう熱い気持ちってのは、アタシには眩しくて、うらやましい。

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